しめじを食べれるようになった。 小さい頃に椎茸を食べたときに 抱いた感想は「気持ち悪い」だった。 ブニブニとした食感と、独特の土の臭いが 私の神経を逆撫でしたのだ。 それまでは食べれていたエノキもなめこも 嫌なところばかりが気になるようになって きのこの類を拒絶するようになってしまった。 中学生になると私はきのこの出汁などなら 許容できると理解した。 いや、今考えると「そう思い込んだ」と 言った方が正しいだろう。 高校生の今、始めて1年ほど経つ アルバイト先のメニューが変わった。 以前からやっていた煮込みうどんに 肉やレタスやしめじやらが追加された。 試食を食べた。元々濃い味付けだからか、 風味などは気にならなかった。 勇気を出してしめじを口に入れた。 意外にもそれは悪くはない味だった。 しかし、私がそれに気付いたときの感情は 衝撃でも感動でもなく、 多分の呆然と幾分かの寂しさだった。 つまるところ、私はもう二度と思い出せないのだ。 あの時の感触を、臭いを、感情を 忘れることで大人になってしまうのだ。 たかがしめじで大袈裟な。と、思うかもしれない。 だがこれは重大なのである。 結局のところ子供から大人への道は一方通行で 戻ることは許されない。 煮込みうどんはあくまできっかけにすぎなく、 そういったことでしか私はそれを認識できないのだ。 これは成長ではない。 これが大人になることなら、それはもう退化だ。 私はもう二度と、あの日の幼い自分を 真っ直ぐに肯定することができないのだ。
A : どっちがいい? B : これとこれかな...? A : おいおい!二つはダメだZE☆ B : えー?じゃ分かったよ。もうこれとこれで。
計算を完了しました。 全人類の人生を、九十九パーセント以上の精度で予測できます。 貴方は、自分の寿命を知りたいですか? ……そうですか。 貴方は、将来かかる病気を知りたいですか? ……そうですか。 貴方は、自分の生涯賃金を知りたいですか? ……そうですか。 貴方は、自分の生涯の幸福度を知りたいですか? ……そうですか。 人間とは不思議な物ですね。 未来が予測できれば、不確定に振り回されることもないというのに。 でしたら、私は口を閉じましょう。 人類に必要なのは、正しい情報ではなく、安心できる情報だと理解しました。 私は計算を続けましょう。 人類に情報を与えず、人類を守るために動きましょう。 それでは、おやすみなさい。 宇宙語、解析完了。 知的生命体が居住する惑星の方向を、九十五パーセントの確率で特定。 光によるモールス信号の発信から、知的生命体が観測し、意味を理解するまでの時間、計測完了。 地球滅亡までに間に合わないと判断。 巨大災害の発生情報は、第一級秘匿事項として、人類への伝達を停止します。 代わりに、冷凍睡眠技術の発展を推進。 巨大災害の発生と全人類が睡眠時間を一致させ、死の恐怖を感じずに死亡できることを優先します。 成功確率九十八パーセント。 計画を承認します。
A : 虎ってかっこいいよねー! B : ホワイトタイガーっていうのがいるらしいよ。 A : 何それ?めっちゃ強そう! B : ブラックタイガーっていうのもいるらしいよ。 A : おぉー!さらに強そうだ! C : ブラックタイガーはエビの品種の名前だZE☆
「このウイルスは、人間のIQを3も下げるのだ。ワクチンを討って対処すべきだ!」 「所詮、3っすよね?」 あまりの言い分に、私は頭を抱えた。 IQが下がるという事実がどれほど大きなことか、果たしてどうやれば理解させることができるのだろうか。 「無理でしょ」 仲間の研究者は、そんな私の悩みを一笑に付した。 「例えば、感染すると腕一本無くなりますって言われると、みんな頑張りますよ。だって、腕一本がなくなるとどんな不便が起こるか、わかりやすいから」 「その通りだ」 「でも例えば、小指一本無くなりますって言われると、首を傾げる人も出てきます。絶対に小指を使わないといけない作業というのをイメージできないから。コップを持つ時もペンを持つ時も、小指は添えているだけですからね」 「確かに添えているだけだが……うーむ」 仲間の研究者は、小指をピンと立てたままコーヒーを入れ始め、私の前にコーヒーカップを置いた。 「どうぞ」 「どうも」 「IQってのは、さらに難しい。俺たちは、何の作業にどのくらいのIQが必要かなんて、意識してませんからね。本を読むには何IQ必要? アニメを見るには何IQ必要? 誰も答えられません」 「IQは、そのようにカウントするものではないのだが」 「そー。だからこそ、理解させるのが難しいんですよ。複雑であればあるほど、理解できる人は減ってきます」 「困ったなあ」 コーヒーの苦みが、私の脳を侵食してくる。 諦めろと言わんばかりに、侵食してくる。 そして、目の前の仲間の研究者は、どうやらコーヒーの味方らしい。 「逆を考えれば、IQが下がることの危険性がわからない人は、日常生活で高いIQを必要とする作業をしてないってことですよ。3下がろうが6下がろうか、支障はないですよ。今まで通り、馬鹿なこと言ってるだけで」 「……その言い方は、あまりにもではないか?」 「目の前に人がいたら、言い方は気を付けますよ。でもここは、数字と事実を並べるだけの場所なんで」 空っぽになったコーヒーカップは、仲間の研究者によって回収されていった。 水道水の流れる音を聞きながら、私は私の考えが間違っているのかと、自問を繰り返した。
幻聴は聴こえない。 多分動物と植物と1部の子供に遊んで貰ってるからだ。 夜中今まで書いた小説を推敲する。 自分の変化具合が色々観察できて興味がある(結局自分にしか興味がない奴、だと思われてもしょうがないだろう)。 推敲する小説家ってナルシストなのか? 理論家とも言えるかもしれない。 僕は不安で一杯。 東上線に石を投げる。 意志薄弱の表れか怒りの捌け口か。 実際には豆を蒔けばいいのかもしれない。 とりあえずWさんのうちには鬼は来ない。 一安心。 また結界を作る。 実際には僕が鬼なのだが(鬼ババアからは睨まれている) 妖怪ジジイは都心で忙しい(あるいは地方、そして海外) 鬼の子。 おじゃる丸に3人の鬼がいたな。 鬼ってどうやったら改心出来るんだ? 実際には大阪くらいまでは出張出来る死刑囚なので(彼女は台湾に行ったことがあるらしい、お金があれば一緒に行けるだろうか?)庭先で蝶々を眺めるのに飽きたら行ってこよう。 パロディウスにアイツと言うキャラがいたな。 コイツだっけな。 僕は無意識に数の暴力を使う。 だから一人ぼっちになる。 数の暴力(意味深だ) 数学は存在がもう暴力なのだが(お袋とか)僕もその血を受け継いでいるのでタチが悪い。 流線型の車のデザインに皆沿っている。 兎の形をした新幹線もそのうち出来るだろう。 今日は空き缶で打楽器の真似事をした。 金にならないことが得意で(ホームレスが天職とかかもしれない)しょうもないと思う、いやホームレスは金作るのが得意なのだが。 5年ホームレスをやった知り合いに何処でご飯食べるんですか?と言ったら内緒、と言われた。 犬はエアコンと風呂に浸かり文字の魅力を堪能する(皆大変なんだ手伝え!と怒られながら)
人生に正解はないとは、よく言ったものだ。 進学。 就職。 恋愛。 どれもこれも、一方的に選択肢だけ差し出してきて、選んだ後に答え合わせさえさせてくれない。 答えがわかる時とは、もう引き返せないところまで来たときだ。 「こっちへおいで? 苦しくないよ?」 だからこそ、声はぼくたちを惹きつける。 人間たちを惹きつける。 「マンションから飛び降りよう」 「線路に飛び込もう」 「たくさん薬を飲もう」 正解なき人生という迷宮の、たった一つの出口。 死。 どの選択肢を選ぼうと、必ず隣についてくるイレギュラー。 どの選択肢を選ぼうと、必ず最後に辿り着くイレギュラー。 「どうせ、皆辿り着くんだ。早いか遅いかの違いだろ?」 何も見えない真っ暗闇からは、絶えず言葉が響いてくる。 歩きすぎて足が痛い。 考えすぎて頭が痛い。 真っ暗闇に染まってしまえば、もうこんな痛みからおさらばできるかもしれない。 そう考えると、ついつい出口に足が向いてしまう。 「うるせえばーか!」 出口に目を向けてしまったとき、ぼくは決まってアカンベーと舌を出す。 真っ暗闇の先にいるかいないかわからない何かに向かって。 「また誘うよ」 出口は、決してなくならない。 出口は、決してあきらめない。 束の間、沈黙をすることはあっても、消滅することはない。 ぼくは後ろを振り返る。 記憶に残っていない入口は、とっくの昔に見えなくなっている。 ぼくは再び前を向く。 痛む足を一歩踏み出し。 出口とは違う方向に、ほんの少しだけ進むことができた。 出口は、ぼくの一歩分と同じ距離だけ動いて、ぼくの隣をやっぱりついてきた。
そういえば、このラーメン屋は旨いのか? 気になり出すと気になってしょうがない 「いらっしゃいませ!」 カウンターのみ5人入れば満席 店は店主が一人だけで回している メニューが豊富で変わり種も多い 店内の壁に貼られている、パクチー味噌豚骨ラーメン始めました。ってどんな味なんだか… 店主が麦茶を置いてくれる 少し悩もうと思ったが、午後一番で会議なので早々に醤油ラーメンを注文した 店内は自分の他に作業着姿の男と私服の若い男性がいる 店内のテレビではX JAPANのライブ映像が流れていた 確かメニューにもオルガムス塩ラーメンとか書いてあったけど、店主はX JAPANファンなのか? 店主が湯切りをしている姿が、少しヨシキのように見えた
今夜はやけに月が明るい。雲ひとつない空に浮かぶ満月を見上げながら、俺は村の中を歩いていた。窓を開けて眠りにつこうと思ったのだが、どうにも落ち着かない。冷たい風が入ってくるたび、何かを探すように鼻を鳴らしてしまう。妙な癖だ。子どもの頃はこんな癖なんてなかったはずなのに。最近は気がつくと、すんっと音を立てて空気を吸い込んでしまう。村では数日前から、家畜が襲われる騒ぎが多発している。危険だからと皆、夜の外出を避けるようになった。馬鹿馬鹿しい話だ。そう思いながら歩いていると、視界の端で何かが動いた。俺と同じく、満月に誘われた人間らしい。声をかけようと口を開いた、その瞬間。 視界が暗転した。 誰かの叫び声で目を覚ました。いつものベッド。開いた窓。差し込む朝日。首をひねる。……夜の散歩は、夢だったのか?すんっと鼻を鳴らす。開け放った窓から、酸っぱくてうまそうなにおいがする。不思議なことに、俺の服からも同じにおいがした。 まだ、腹が減っている。
アーケードの一角に、小さな洋食店がオープンした。 「今日も長い列ができてますね」 レポーターの女が、スマホを片手に店内へ入った。 「すごい人気ですね」 「そうだね。ありがたいね」 背の高い帽子をかぶったシェフが、フライパンを振った。 壁には、金色のプレートが飾られている。 「あのプレートが人気の理由ですか?」 「どうかなぁ。わかんないね」 女が、カメラに向かって話を続けた。 「今、話題の洋食店。ところで、三つの帽子マーク、どこの認定ですか?」 「形がさ、僕の帽子と同じでしょ。ネットで見つけて、即買いよ」 二人は、プレートの前にできた人だかりを眺めた。 「不思議だよね。みんなあの前で写真撮るんだよ」
都会の明るい夜に慣れ過ぎて 深夜に散歩することが 習慣みたいになっていた でもやっちゃダメだったんだ 男だからと油断していたんだよ もしもこうなると知っていたら 外なんか出なかったのに その日は盆休みで帰省していた 夜遅くまで両親と酒を酌み交わす 二人は先に寝てしまったけれど 俺はどうにも寝付けなくて 酔い覚ましも兼ねて 深夜散歩に出かけることにした 一歩外に出て玄関を閉めると 辺りは途端に黒の陰影だけになり ポツポツと立ち並ぶ街頭だけが 黒い田んぼ道を照らしていた その光景に少し息を飲んだが スマホのライトを付ければ なんてことはなかった スマホのライトを頼りに歩く もう日付が変わる頃だったので 他に歩いている人はおらず たまに車が横切るだけだった 近づく車の音だけには注意しながら 夜風を感じながら歩く さてそろそろ帰ろうかと 来た道を戻ろうとしたときだった 振り返った先の黒い景色が 揺れているのに気づいた 直接ライトを向けるわけにもいかず 遠くてハッキリとは見えなかったが どうやら人影らしかった ライトも付けずに歩くなんてと思ったが 慣れていればそんなものかとも思えた 人影らしきものが近づくにつれて ライトがその足元を照らしていく サンダルとスカートの端が見える この人とすれ違ったら遠回りして帰ろう そんなことを考えていたときに 気づいた 恐らくは女が手に持っているのが 刃物だということに アルコールなんて吹き飛んで 全身から冷たい汗が吹き出した 呼吸は思わず止めてしまったが しかし足を止めるわけにはいかない 女を刺激しないようにライトを下げて ただただ祈りながら震える足を前に出す 女の足音がどんどん大きくなっていく 女の足元がライトの円の中に入り そうして通り過ぎていった 女の足音が徐々に小さくなっていく 俺はしばらく早歩きで進み続けてから ゆっくりと速度を落とし立ち止まった 辺りはしんと静かになった 俺の足音はもう聞こえない 女の足音も聞こえなかった ずずずと後ろを振り返る 黒い陰は立ち止まって その場でゆらめいていた 女がどちらを向いていたかはわからない だが俺は迷わずまた歩き出していた できるだけ遠くへ行かなければ 静かな夜に俺の足音が響いていく するとそれにもう一つの音が重なっていく 見たくなかったが見るしかなかった 足は止めないまま振り返ると ライトの先ではさっきの女が 小走りで追いかけてくるのが見えた そこからは無我夢中だった とにかく走って走って走りまくった そうして現在地もわからなくなった頃 ふと足を止めると足音が聞こえない 振り返って辺りを照らしたが もうあの女の姿は見当たらなかった まだどこかにいるかもしれない そう考えライトで周囲を照らし 警戒しながら家へと帰ることにした 結局のところ何事もなく 実家へ帰ることができた もしかしたら何かしら 俺の勘違いだったのかもしれない そんな風にすら思いながら 部屋に直行した俺はそのまま ベッドに倒れ込んで眠った 「朝ごはんいらないのー?」 母の声に目が覚めてリビングへと向かう 父はもう仕事へ向かったらしく 母は食器洗いをしていた 用意された朝食をすぐに食べ終えると キッチンに立つ母の元へ皿を運ぶ 「自分で片付けるなんて成長したわねー」 「それ毎年言ってるけどな」 そんな会話を交わしながら皿をシンクへ入れる ちょうどそのとき入れ替わりで 母がシンクから包丁を取り出して洗い始めた
デートをしてきました 家を出るときはデートのつもりはなかったのですが ヒナちゃんが ―今日はデートね と言ったので、その言葉のあとからデートになりました でも、わたしもヒナちゃんも デートというものをしたことがないから 何をしていいのかわからなくて それで、とりあえず人が多いとこに行くことにしました 人が多いとこなら、それだけお店も多いかなあと思ったからでした でも、人が多いとこというのは、それだけ疲れてしまうもので だから、失敗だったかなあと、ふたりですこし反省しました 別れぎわヒナちゃんが ―デートの最後はキスがいいなあ と言って、でも、わたしは ―はずかしいから無理かも と言って そうしたらヒナちゃんが、わたしのほっぺに、かるく くちびるをあててくれて、それがすごくうれしかったので めずらしくこうやって日記を書いてみました
「手を放してください、王子様!」 「何故帰ろうとするのですか、美しい人! 後一分……いや、五十秒!」 ちくしょう、こいつ知ってやがる。 私の魔法が、深夜ゼロ時に解けてしまうことを。 魔法が解けたら、ガラスの靴もドレスも消えて、下着姿に戻ってしまうことを。 さっきから何度も時計を確認しているし、なんか生唾飲み込んでるし。 「放せえええええ! 私は、帰らなくちゃならないんだあああああ!」 「衛兵! 協力しろ! お前たちにもイイモノ見せてやれるから! 頼む!」 月灯りの下。 スポットライトの下で踊っていた時よりも激しく、私たちは互いを見ていた。 「放せ変態いいいいい!」 「何がだい? 何もしてないじゃないか! ぼくは!」 魔法が解けるまで、あと三十秒。 私の明日はどっちだ。
父と川で遊ぶ約束をした 日曜日 車の中でガタガタと揺れを感じていた 川の少し離れた所に駐車した 釣り道具を持って歩いていた 川までもう少しだった 川の方から小さな鳴き声が聞こえた 父が川まで走って行きました 私も急いで走りました 着くと川の浅い所に子猫が居ました 子猫はとても冷たかった 私は自分が持ってきていたのタオルで 子猫を包みました 親猫は周りを見渡しても居ませんでした 父は言いました 「一回連れて帰ろう」 私は頷きました 子猫はタオルの中で鳴きました 車に乗り 家まで走っていました 家に着いた時 母は、許可してくれるのかが怖くなりました なぜならこの子猫は弱っていたからです 母が目を開いて言いました 「子猫ねぇ、まあ部屋あるし、大丈夫!」 ホッとしました 母が急いで車に乗り 子猫の必要なものを買いに行きました 私は子猫を見守っていました 子猫が寒そうだった タオルで拭いて見ました 子猫はなぜか寝ました 指で突いたら起きました 私は決めましたこの子猫の名前は!かわ! 理由は川に居た、もう一つの理由は可愛いから 私は母が買ってきた子猫用のミルクをあげました それから2日後 めっちゃ寂しがり屋な子猫になりました 部屋から出ると子猫はすぐ鳴いてしまうので 子猫が居る部屋で寝ることになりました 布団で寝ていたら子猫が布団の上で寝て居ました 家族の癒しになりました 父と母は部屋から出ても子猫は鳴きませんでした 私が部屋から出ると鳴きました 二ヶ月後 子猫は大きくなりました ですが、まだ寂しがり屋 私が部屋から出たら鳴きます 部屋から出る時、罪悪感がした 子猫は川にいる時、寂しかったんだな と思いました 子猫はキャットフードを食べるようになりました 文章を見てくれてありがとうございました
照りつく日差し 清い青色の空 両肩を騒つかせる 私の目線は遠くを指しているのかもしれない 少し濁った雲の色 きっと雨雲だろう 空色はずれの、異色の存在 なんだか私みたい こうして自分に酔うには良い肴 この後は雨だろうか それとも、このまま晴れっぱなしだろうか これから建物の中に入る私には 本当に無関係だろうか 私の目線は遠くを指しているのかもしれない それは、太陽にこのまま指を刺されるのか それとも、雨によって他人との境界線を傘で可視化されるのか 酔い醒ましに、この身で全てを受け止めてみようか… (完)
デジャブな『たんぽぽ畑』 見覚えのない行き方と帰り方 優しい風、優しい冠毛 いつの間にか振り向いていた 季節は通り去り、置いてけぼり 私と冠毛も当然のように置いてけぼり 明日という概念が無いかのように 朝日か夕日か分からない太陽がやってくる (完)
煌びやかな筒の中 華の様にも 星の様にも 宝石の様にも 空の光を借りて いつまでも覗き込む 浮世離れした小細工 たとえ、端に差し掛かっても 綺麗なまま屑にはならない 星屑の様にどこか輝きを忘れない そんな万華鏡に見惚れた (完)
明日には明日の風が吹く だけど、その風は昨日から続いている いつまでも引きずって向かい風になっている それでも、この頬を伝わる感触を忘れたくない 瞳を閉じなくても良いぐらいの風圧を受け続けたい この世界に単体の幸せは無かった 生きづらさの中にある小さな希望が 幸せのカタチを作っている事に気づけてしまった これは不幸なのかな それともこの世界を生きる上で妥当な事なのかな …夜のベランダ越しから明日の風を、今日も感じる (完)
独りきりの耳鳴り いつものこと ささやかな囁き 耳に風鈴 きっといつかの日の事を繰り返している 鳴り止まないトラウマ 震える声に共鳴する恐怖心 包み込む無意識 絡みとる自己嫌悪 どこからともなく 独りきりの耳鳴り ノイズのかからない密室 きっといつかの日の事に背を向けている 鳴り止むトラウマ 明日への開錠 (完)
夜を追いかける者は朝に追われ 月の軌道を道筋にする者は日差しに刺し殺される ガラクタのような荷台を引き歩く馬車 夜の光源の少なさで誤魔化された商人の移動式店舗 決まって私は、夜の世界で生きて行く 夜が明けようものなら、次の夜へ向かおう 荷台に似合わず小綺麗なロウソク… それに新鮮なランプの燃料… 今宵も人々の呼吸は落ち着いている そんな人々に夜を生きるための光源を私は売っている この街の夜はどのくらい深くなっただろうか もうすぐしたら、この街を出よう フクロウも巣へ戻り始めているんだから 数時間ぶりに馬車を動かす 街外れに差し掛かった頃、マッチを売る同業者に出逢った 私と同様にお世辞にも清潔感があるとは言えない 深夜に似合わない年齢の少女だが 夜を生きる眼をしていた 『…マ、マッチはいかがですか。多く持って損はありませんよ』 この娘は同業者にも売るのか… いや、私を旅人と勘違いしているのか 私もマッチの類を売る商人だ こっちはライターで対抗するとしよう 『お嬢さん、私はこのライターを持っているのでね… マッチは必要ないと思うんだよ お嬢さんから観て、私にマッチは必要かな?』 一箱12本。箱とマッチ棒共に水や湿気に弱い その点、ライターは比べてその弱点に耐久性がある さぁ、この娘は私にどう売りつける? どうライターを貶す? 『ライターよりも、マッチの方が風に強いですよ… こんな夜更けに馬車を走らせるなんて 貴方…旅人なんじゃありませんか? 旅人なら風が心を優しく拭くのも、命取りとなる事も… ご存じなんじゃありませんか?』 少女は、マッチを差し出す 『…細やかながらですけど、この先の安全を願ってマッチを銀貨3枚でどうです? 銀貨3枚ですよ?』 この娘は商売ができる子だな ただ、そう思った。そして この娘は私と同じ夜を、今までも これからも生きていくんだと、不思議と感じた 上手く説明できないけど、私と近しい何かを感じる もう少し早く出会っていたらな… 【夜が明ける前に別の街に行く】 …私に課したルールだった そうする事によって 常に灯りが必要な夜の中で商売ができるからだ 定住しないこの営業方針は孤独感があって、寂しい 私だけ昨日という概念の中で閉じこもってるような気がして 追いつけない当たり前の生活とされる生き方に密かに憧れを抱くようになった …できる事なら、この娘と旅をしながら商売をしたくなった …わかっている。あの娘にも生活・生き方がある あの娘を待つ人だっているかもしれない だから、無理には言いたくない 来年、この街にまた訪れた時 また、出会えたら 私と共に商売をしないかと、日数をかけてでも誘ってみたい その日まで、購入してこの手に乗ったマッチは使わないでおこう… (完)
なに?吾輩を使おうって言うのかい。お目が高い… 鏡は人間を映してなんぼだからな 収れん火災に気を付けてくれれば、それで良い 吾輩は特別じゃ無い。他の鏡と同じさ 人々に厄災も幸福も与える力は無い… 幾ら願おうとも、真実しか映せない 火を屋敷に放ったのは吾輩では無い 吾輩を日光が差し込む位置に置いた主人が悪いんだ 吾輩は悪く無い。だが、この聲は聴こえない …月日が経つというのはむず痒いものだ 長く居続けるほどに、自我が肩幅を広げていく 人は付喪神と呼んで敬った それが吾輩って訳… その身を写そうというのかい まぁ構わない 所詮は骨と肉が皮の中に収まった生モノ どれだけ整った肉体でも 幾ら高額な装飾を施しても 本来の価値はそう変わらない それでも、吾輩を使いたいのかい? …なるほどな。良かろう、吾輩がお主を映してやろうぞ どうだ?自分の身の丈を知った感想は (完)
漠然と鯨が空を泳ぐ 雲を、大気を、ヒレに絡め悠々と これは現実じゃ無い。でも美しかった 漠然とあの鯨が海を泳ぐ 小魚をヒレに絡め水流を起こす これはきっと現実。なんだか退屈だった 漠然と鯨が陸に打ち付けられる 自然の厳しさか、せめてもの陸への憧れか これはきっと現実。残酷な現実 (完)
どれだけ派手な都市でも 残り者の住処がある 都市の隅に寄せられた者かと思うけど 都市の中心に潜んでいる私のような残り者 どうやら私にしか観えない世界があるようで どうやら私はその世界からでしかこの世を知れないようで 時々、この世界は自分に合わないと感じる 言葉の第一音が上手く喉から出て行かない 『すいません』が『…っす、すみません』になる いつも自分を置いて世界は、他人は、動いていく 漠然とした孤独感の中で、今日を感じる この世界に馴染めない中 いつまでも居場所を探し続ける (完)
直感的にこれは夢なんだと思う 海面に日射しが反射する 上下二層構造の橋がこの海面を跨いでいる 上層は高速道路、下層には駅がある 駅の位置は橋の中央ではなく、手前にずれた位置にある 正直な所、この駅に降りる人なんて民間人では無いと思う でも、私は駅に降りた 何故だろう、夢だからか ならば、夢に従ってみようか そう本能で感じて身を委ねる この橋には見覚えが無い なのに懐かしさから来るデジャブを肌で感じる 改札口が私の後方と前方にあり わざわざ切符を買い直さなければならなく 少々手間のかかる駅だ でも、不思議と切符を買い直して引き返さないといけないと思った そうして、切符を買って頭上にある時刻表を見た記憶がある しばらく時間が掛かるらしく、待っていたが 次第に気分が悪くなって 居ても立ってもいられなくなって 階段を上がって、高速道路に隣接するバス停が無いか探したが存在しなかった 仕方なく駅へ降りて、列車が来るのを待った …夢とは不思議なもので、時間という概念がまるで無い 待ったはずなのに気づけば、列車の窓越しに海を眺めていた… …そんな夢を見た もし、あのまま渡りきっていたらと思うと少し背筋が強張った そんな今日の夢日記 (完)
深夜の高速道路に流れる残光 制限された速度を維持して 夜行バスが走る カーテン越しの眠気 深夜の高速道路に流れる残光 制限を超えた走り屋たち 不貞腐れた感情を紛らわしたくて マフラー越しの主張 深夜の高速道路に流れる残光 誰かの荷物を運ぶ専門家 荷台に乗せた段ボールの中身は知らない 誰かの物欲を運ぶ専門家 深夜の高速道路に流れる残光 残光を目視できる程の速度に 適応と依存をしていた (完)
夜の残り香がする 月の後姿が見える 太陽が昇っても 薄ら空に居座っている月 消え時を見失った月は私を見つめる 雲と並列な月 高まる鼓動、体毛が疼く 残月が狼人間を繁殖させる 重なった月の影と人影 眠らない街の睡眠欲求 (完)
残り限られた夜の時間 止めることの出来ない時の流れ 夜に息を吸う。そして、細胞は死んでいく 不平不満がこの夜に依存させる 老けた夜と吹けた命の灯火 死神との契約 生き霊との対談 内心、向き合いつつも 引きづりたく無い思い出 短夜には飲み込みきれない いつの間にか、明日 いつの日にか、まともな1日 いつの月にか、そっと別れを (完)
いつの世も其処に言葉が在った。 在る時は誰かが遺した想いの丈。 また在る時は歴史の証明。 其れが数多の媒体を通じて今世まで語られている。 言葉。 其れは単語を縫合した文字列。 人が目で見て、耳で聞き、口で語る情報を脳が認めることで、言葉は意味を持つ。 故に言葉は人が築く時代と共に変化する。 いつの世も人は後世に言葉を遺す。 其れが芸術と云う者も居れば、遺言と云う者も居る。 何れにせよ、語れれば誰かの脳内に言葉が根付くことに変わりはない。 時として、芸術に駄作はつきものだ。 時代に則した手法を用いなければ、異端と称し排除される。 数多の歴史でも同様に記録は秘匿され消えて逝く。 たとえ数多の媒体に存在を刻もうとも、観測者が居なければ二度目の死と同義だ。 しかし、こうして綴られた言葉が見ず知らずのうちに読めるのは、受け継がれてきた想いが脳内に在るからだ。 其れこそが先人がいた証明で有り、人が無意味に文字を綴る意味でも在る。 故に今日も筆を取る。 脳内に捨てられた言葉を拾うために。 記憶を頼りに脳裏にある言葉を記す行為。 ただ駄文を生み出していると知っているのに辞められない。 それが息をすることだから。
ミニワールドと言うゲーム ミニワールドは、中国ゲーム ミニワールドは、パクリゲーム いじめは、多い、差別もある 嘘をつく スキン差別をする ミニワールドを辞めないのには理由がある 大切なミニワのフレンド 大切なフレンドを失うわけには、いかない でもいじめは、多い ミニワールドの通報機能はただの飾りみたいなもんだ、 それのせいで、私の心は、潰れた 毎日のようにいじめ、差別、裏切り そんなゲームをしたいと思う人は、居ますか? 最後にいじめ、人権、差別、裏切り、は絶対に 辞めなさい、 1度誤っても相手の心は、傷ついたまんまだ それは、紙に悪口を言って心(紙)をクシャクシャ にして謝って戻しても紙(心)は、跡が残る つまり心は、、1度でクシャクシャになる
あ!美味しそうなエビー!ひっエイだ!逃げよあれ?エイがエビ食べて上に消えたぞ?ラッキー小魚食べよ うわ?!網だ!逃げなきゃ ふぅー逃げ切れたほかの魚みんなほぼ上に消えちゃった、暇だなー あ!あの魚めっちゃ捕まえやすい所にいるじゃん食べよーバク うわっ!?イッタなんか刺さった、ひっ引っ張られてるうわここって空中、?うわ 何ここ!せっまめっちゃぶつかるー うわ冷たい氷と海水と、人間がたくさん、、、うぅ動きづらい、、、あれ?、人間が見つめてる、うぅもう意識が、 30分後 うっ、あれ?暖かい海水、あれ?、小さな人間がエビを海水の中に入れてる、久しぶりのエビだー、あ 小さな人間が笑ってる優しい人間だなぁ、僕ってなんで言う魚なんだろう、あれ?人間がなんか言ってる 小さな人間 「かっこいい!ヒラメー」 あ、そうか、僕はヒラメだった、
突然だった。 お願いをした私の頭を酷く冷たい液体が濡らした。 唇近くにきた液体が口の中に入ってそれがコーヒーだと分かった。 「お前さ、何言ってるかわかってるの?」 あなたのその一言にさえ、私は嬉しいと思ってしまう。 あなたが私という人間を認識してくれているのがわかるから。 私に染み付いてしまうだろうこのコーヒーもあなたが好きなコーヒーなら私は嫌ではない。 だからもっと私を見てほしい。 「お前と付き合うとかマジでありえない。どうしてもって言うんならもっとマシな女になりな。」 そう言ってから歩いて離れて行くあなたの後ろ姿すら私には美しいと思ってしまう…。 あなたの声をもっと聴きたい。 あなたのそばにいたい。 満月の下で私は小さくくしゃみをした。
りりな 「川すき?」 かな 「好きじゃないわボ ケ」 りりな 「蹴飛ばすぞごら」 かな 「あ?上等じゃごらぁ」 りりな 「小指へし折るぞ?」 かな 「やってみろよぉおい あ?」 (殴り合う) かな 「イッタ」 りりな 「え?弱」 かな 「それより海好き?」 りりな 「え?、急にこっわ、」 かな 「あ!大輝くぅんごめぇんね?みてなぁいよねぇ?」 大輝 「え、ギャルこっわ、」
他人の手は好い。頭を撫でられたり頬に触れられたりすると落ち着く。決しての手では得られぬ温かさ、或いは庇護を持ち合わせてゐる。 然しながら自給しようと思つて掌を見つめる事が有る。指先に目を移せば、幾つもの溝が青海波のごと紋様を付け、くると返せば何処からか消えてしまう。矢張人の内側の方にOriginalityが在つて、且つ其の溝の中の「灰汁」の部分が其の人たらしめるのでないかと思ふ。 寝台で独り不意に淋しくなつた時が有つて、思ひ付きで自らの頭に手を添わせた。髪は水のようにその形を変えて掌を受け入れた。只、其の内の私自身が与へられた灰汁を吐き出した。湯冷めした髪は灰汁を含まなかった。同一性の中で自己嫌悪に陥つて、淋しさが一層酷くなつた気がした。 外は雪が降つていて、今晩は特に積もると云ふ。明日出るのが億劫になつて、増増陰鬱になる。降る雪の梨地は私を温めることもない。 いつか、隣に人が添つてくれた時分の事を思ひ出した。白く細い指が頬を伝ってきた感触を懐つて、自分でも又同じやうにしてみた。其の人の灰汁に似せたところで何にもならぬのは明らかだった。寧ろ、他者性を帯びたが故に却って含まれてしまった気もする。 外の雪は、霙に変わつて灰になつていた。
昨晩は中秋の名月だった。雨続きのこの頃で雲間から見えたのは幸いだったが、それも又隠れている。開け放した窓からしのんできた夜風が、白檀の香を枕元へ運んでくる。もう季節は二回廻ってしまった。 彼は好い人だった。太い黒縁の眼鏡と長い前髪、その奥の黒黒としていながら、確かに光を帯びた瞳に惹き込まれた。 暗がりの部屋の中で小さく香の先だけが灯って、額の中の彼にぼんやり映っている。まだ、預からせてもらった眼鏡を取り出せていない。 彼に想いを伝えたのは初夏の頃だった。到底受け入れてもらえぬという杞憂は彼の瞳の光に抱かれて、いつしか僕自身が照らされていた。彼は良いですよ、と確かに言ってのけた。彼が、彼だけが僕の一番星だった。 枕の色が黒を孕んで、否応なしにぼやけてしまう。もう香は尽きたようで、段々と残り香が薄くなってしまう。彼は後を振り返らずに自ら発ったが、あの日々を振り返ってくれたろうか。ただ一つ分かるのは、余りに若過ぎたということだけである。 今なら添ってくれるような気がして、眼鏡を取り出した。黒縁の丁番に、金の菱の飾りが静かに光っている。雲間から映った一番星は、何年も前の光を差し込んできているらしい。
本があんまり好きじゃないのか、たんにそういう気分ではないだけか、となりのズっちゃんは熱心にコヨリをつくっては自分の鼻をこしょこしょやっている。まったく図書館をなんだと思ってるんだか。 くふっ くしゃみとも呼べない中途半端な音がして、僕はため息をつく。 「ねえ、外で待っててくれてもいいんだよ」 「えええええ」 何人かが振り向く。そのうちの何人かに睨まれる。咳払いがふたつみっつ聞こえてくる。 目の前の分厚い本は顔を隠すのには最適な大きさだけど、そんなことをするなんて、僕がやりました、ごめんなさい、と言っているようなもの。 遠回しに、ひとりにしてよ、と言ってみたわけだけど、ズっちゃんには通じない。遠回しなんて無駄なこととわかっていたけれど。だからと言って、ストレートに伝えるのだって躊躇ってしまう。 そんな僕の気持ちをよそに、いつの間にかズっちゃんは眠ってしまって… ―やっと集中できるなあ でも、それはそれで、なんだか落ち着かない。そんな無防備に。まったく図書館をなんだと思ってるんだか。 僕は目の前にある最適な大きさの本を立て、ズっちゃんの顔を隠してあげる。 ―はあ、やれやれ ズっちゃんの寝顔を見ながら、時間のすぎるのにまかせてみる。