愛しい人

泣かないでよ。 私は目元を隠し、泣いている最愛の人に囁く。 彼は嗚咽を漏らしながら、首を横に振る。 彼は昨日、両親と弟を何者かによって殺されたばかりだった。 犯人は行方をくらまし、彼は長年の付き合いである私の元を訪れた。 犯人を見つけ出して欲しい、と。 執事は、農民如きが王族に懇願するなどと顔をしかめたが、私は彼をそのままにはしておけなかった。 「必ず、犯人を見つけ出すわ」 私の言葉に、彼は魔法から解けたかのように泣くのをやめ、私を見上げた。 「ほ、本当か…それはっ」 「もちろん」 感謝を述べ、床に額を擦り付ける彼に駆け寄り、指で顎先に触れる。 そして彼の顔をあげると、その濡れた頬をそっと撫でてやった。 「っ、姫…!」 彼は感極まったようだ。 私は優しく微笑み、しばらくここに滞在するための部屋に案内を執事に任せた。 「あぁ…なんて、可哀想で_____ ・ 可愛い人」 私は血よりも赤い玉座の椅子に座った。

I had to go to red Pepper developer there to America to be bad to be down

Adriatico bed with me that will be there tomorrow but everybody would be dead but we did have her go to bed or a devil of a dead by better B Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah will be good for Deborah Deborah K by the way did we did we did we did the rabbit we did record of her with a dead battery we did have a good of a double every day too baby did have a record of it with Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah with dad to have everybody with Deborah ditch work every bit of the dead I don’t have a good day whatever the date will be the death of a better believe I did really bad very bad day to visit with everybody be dead I don’t have a good day with every day with a true date to make everybody do a day trip very rich back everybody would it be OK with it I don’t have a kind of a Deborah Deborah village with HVAC away with everything but it will be Deborah Deborah Richburg able to visit with that I don’t have a good day whatever dude it work if we did Deborah village baby David Richard would it work if you do a ditch I don’t have a good of a double definitely ditch been a good idea to get a couple of things Educare Rica BBQ baby Detreville the dirtbike it will be the death of a dead baby with her to have any dividends will need to be ready to go to the dead River Deborah Deborah Deborah Deborah visit to every day to be with it work every day to visit visit with dad Ridgewood we did David ever ever did will be dead rabbit with a digital debit of a date with a video that we did and you have a good or a debit ability to be dead river disability to be very tricky bit of Deborah Deborah ditch bank if we did a double double with this River Village Park Ridge Village Parkway, Village and a couple good with 11–23 people to ditch back every digit mega bit of a ditch on the cover Cordova Debbie Deborah did read it for the river ditch with a bit of a ditch bag away down there but it was a direct I’m gonna cook everybody will give a damn Deborah ditch

写真的平行世界

 一億総撮影者社会、兼被写体社会。  誰もが気軽にスマートフォンを取り出して、撮影ができる。   「ああ、また生まれた」    しかし、誰もわかっていない。  撮影するという行為の本質に。    鏡の中には別の世界がある。  かつて流行った迷信は真実。  像がある場所には、必ず別の世界が存在する。    写真もそう。  現実を切り取った写真というデータの中に像が残り、像は並行世界を生み出す。    よく見てごらん。  旅行先でピースサインをしている君。  寝ているところを撮られた君。  ご飯を食べている君。  この三枚の写真の中で、彼らの人生は続いている。    静止画の裏の見えない場所で、彼らは確かに動いて、生きているのさ。    不思議だろう。  でも、世界ってそんなものなのさ。    像が像を生み出して、永遠に増えていく。  昔のように、絵画だけしかなかった時代ならよかったんだけど、カメラという技術ができてからはもう加速度的さ。    万物に上限があるように、世界の数も上限があってね。  まだまだ全然大丈夫なんだけど、いつか大丈夫じゃなくなるのが恐いよね。    ま、それはこっちが考えることだから、別にいいんだけど。    ああ、そうそう。  なんで突然こんな話をしているかって言うと、それを知った人間はどういう行動をとるのかに興味があったからなんだ。    写真を削除するのをやめる?  ぼくの言葉を一切信用せず、変わらない?  それとも、信用したうえで削除する?    教えてくれないか、山頂でピースサインをしている写真の世界の君。    削除ボタンが押されるまでの、後数秒の間に。

ご縁

 深夜、住宅街をランニングしていた。  目に汗が入り、顔を拭く。  目を開けると自分の左側、少し前方に人がいた。  それも向き合う状態ではなく、同じ進行方向で。  左端を走っていたので、後ろから人が入ってこれるわけがない。  どこかの家から出てきたとしても、音や気配がしなかった。  街灯は遠く、民家の明かりも少ない。隣の人間がなんとなく男だろうということがわかる程度。  なんだか不気味に思っていると、男は脇道にそれた。  そこは数軒家があるだけの袋小路だった。  (なんだ、やっぱこのへんの人間か)  ランニングに集中しようとした時。  ガンガンガンガン  ガンガンガンガン  ガンガンガンガン  激しい音にふりかえる。  先程の男が郵便受けを殴りつけていた。  更に男は何かをポストにいれた。  自分が見たのはそこまで。  翌日もランニングで同じ場所を通った。  殴られていた郵便受けはどうなっているのだろうと、好奇心から袋小路を覗いてみた。  郵便受けにはA4サイズの紙が貼られていた。  書いてある内容が暗くて読めず、スマホで照らした。  血のついた物を入れないでください。  警察に通報済みです。監視カメラ設置済み。  自分が犯人扱いされてしまうような気がして、すぐにその場を後にした。  やはり、ああいうものには関心を持たない方がいい。  あれから毎日玄関ポストを殴られている。  その音が止むと、今度はポストの中に血がついた五円玉が入れられる。  五円玉には血だけではなく、いろんな色の刺繍糸が結び付けられていた。  ドア一枚隔てたところにあの男がいると思うと恐ろしくて、ランニングの時間を遅くした。警察にも巡回を頼んである。  そのおかげか、今は遭遇しなくなった。  遭遇はしないが、薄気味悪い五円玉が日々溜まっている。  ヤケクソになって、糸を外して洗って使ってやるかとも思ったことがあるが。  糸の裏にも血がこびりついているのを見て、やめてしまった。  ある程度溜まったら、警察が証拠品として引き取ってくれることになっている。  あぁ、あの時、関心を持たなければ――

泥棒

    泥棒 ど、泥棒だ!! ちょっと待ってください 確かに私は泥棒です でもこの部屋を荒らしたのは私では ありません 私はたった今この部屋に忍び込んだ ばかりです 何を言うか! お前の仲間が金品を持ち去り  お前は証拠が残ってないか 確かめていたのだろう? とんでもない!私はまだ何も盗ってなど いません うそをつくな!見る限り1人のようだな 今すぐ捕らえて警察につき出してやって もいいのだぞ? 勘弁してください、、、それだけは、、 嫌ならとっとと帰れ今回ばかりは見逃して やる。 ありがとうございます、貴方様のおかげで 私は警察にら捕まらずに済みました。 今後は悔い改めて生きてまいります そういうと泥棒は去って行った。 まったく無事に帰ってくれてよかった… 金品など盗まれても結構なのだ。 昨日ささいなことで喧嘩になり 殺めた妻が クローゼットに入っている。 これを盗まれたら 私も捕まってしまうからな。

日なたの対角

 きらきらしたものはとても好き。  夢の中で見たアイスクリームみたいな、甘い雰囲気も好き。  だけど、それを言葉にするのはすこし苦手。  だから言葉にしてくれるひとは大事にしたいなって、最近思う。 「そーこちゃんは面白いよね」 「面白い?」 「うん、ふーとかそーとか、よりも」  落ち着くし面白い。  万里さんはそうやってニコニコと私の話を聞いてくれた。  いつも、私よりも万里さんがたくさん話してくれるから、私はそんなに困ったことはない。  んー、と今きいた名前を思い出す。 「ふーくん、そーくんって」 「双子の弟たちだね……普段は面白いんだけど」 「だけど?」 「しんどい」 「そうなんだー」  兄弟なんていないからわかんないけどなあ、と私はふわふわ思う。  しっかり者の万里さんがはあ、としっかりとため息をつくくらいのことはよくあるけれど、表情からすると「ちょっと手がかかる」くらいなのかもしれないなあ、なんて思った。  だって、なんだか彼女は楽しそうなんだもの。  ふふ、と含めていない笑い声が聞かれていたらしく、想子ちゃんって、と言われる。 「もう、相変わらず」 「でも万里さん、うれしそうなんだもの」 「うれしくはないわよ……」 「そうかなあ……」  二人のことが好きなんだろうなって、私はわかるけどなあ。  たぶん、そういうことを言ったら「違うって」って、言われるんだろうなあ。 「万里さん」 「なあに」 「おまじない、教えてあげるー」 「え?」  よいしょ、と言って立ち上がる。  くるくる回って、彼女の前に立つ。 「こう、お月さまにむかって、ばーってエネルギーもらうの!」  そう言って、両手をばんざいして、そのままぐーっと、空を見ながら伸びをする。  今は太陽がまぶしいけれど、きっと、夜空にまん丸光るお月さまだったら、きっと、素敵なものが見えるはず。  しっかり伸びきったあと、もう一度万里さんの横に座って、にこにこする。  そうしていたら、彼女がちょっとだけ眉尻を下げることを知っているから、 「いまどき、おまじないって」 「信じてみたら案外いいかもよー」  手のひらに書いた、人の字をごくごく飲んでいる万里さんにはぴったりだと思うんだけどなあ。  私は思ったことをそのまんま言いたいのを、ぐーっとこらえて、別の言葉でお返事する。 「きっと、元気になるよ」  ふふふー、と笑っていたら、試すだけならと彼女は帰っていった。  いいことしたかもなあ、って思っていたら、今日はとてもよい月が昇り始めていた。  次に会ったとき「肩のこりがとれたわ」なんて言われたから、なんかちがう! と怒ったのは、また別の話。

お戒壇巡り

 長野県にある寺には、お戒壇巡りというものがある。  寺の床下に伸びる闇の回廊を歩き、ご本尊の下に位置する錠前を触ってくるというものだ。  触ることで結縁が果たされ、極楽浄土を約束されるという。  また、光の届かない暗闇を歩くことから胎内巡りとも言われ、外に出た時は生まれて初めて光を浴びたかのように感じるそうだ。  千鶴さんは、小学校の社会見学でこの寺に来ていた。  いよいよ待ちに待ったお戒壇巡り。  担任から前の人の肩に片手を置くよう指示され、少しずつ前に進んでいく。  千鶴さんは最後尾にいた男の子の後ろに並んでいた。 「私見つけられるかなぁ」 「鍵があったらすぐ教えるよ」  いざ通路に入るとすぐに光を感じなくなった。  視覚がなくなると肩に置いた手がとても熱い。もう片手は壁を伝わせているが、見えないせいで木のぬくもりが生暖かい。すべてが敏感に感じられて気持ち悪かった。  騒いではいけないと言われているため、聞こえてくるものと言えば息遣いやリュックや衣服の擦れる音。  そのうち、あまりの暗さで泣き出す声が聞こえるようになった。5分程度と聞いていたのに、とても長く感じる道のりだった。  少し先でカチャッカチャッと重い金属の音がした。 「誰かが鍵だって言ってる」 「ほんと?」 「あ、これだ。千鶴ちゃん、ここ」  手が掴まれ、ドアノブのようなものを触らせられる。  なめらかな丸みのある、ほんのり冷たい金属。思っていた錠前ではなく、細長い形をしていた。  手を離すと、べろりと手のひらを舐められたような感触した。  なにかがあった、そう彼に伝えようとした時。  ハッハッハッ。  荒い息が聞こえた。   「千鶴ちゃん。千鶴ちゃん。外に出れたらさ」 「静かにしてなきゃだめだよ。怒られちゃうよ……」  呼吸が荒いのは彼だろうと思った。  肩に置いた手が小刻みに上下しているのを感じていた。 「千鶴ちゃん、逃げて」  肩の動きがぴたりと止まり、息遣いも聞こえなくなる。    うしろで、動物の走り去る音がした。  家で飼っている犬の足音によく似ている。  愛犬を思い出した途端、安心感に包まれた。  出口に到着すると、目が痛いほど眩しかった。  瞼をこすろうとして、手から生臭い匂いがすることに気づく。  犬でも入り込んでいたのだろうか。  彼に話しかけようと光に慣れぬ状態で背を叩いた。  しかし、振り向いたのは同級生の女の子だった。  どこを探しても、その後の社会見学でも、彼を見つけることはできなかった。  社会見学が終わり、家に着くと愛犬が亡くなっていた。  まだ寿命とは言えない年齢で、突然の心臓麻痺。  ちょうど千鶴さんがお戒壇巡りをしていた時間に息を引き取ったそうだ。    千鶴さんはあの男の子がもしかしたら愛犬で、何かから守ってくれたのかもしれない。そう思わずにはいられないと話す。

ある日の追憶

 その日、僕は散歩をしていた。  特に散歩が趣味なわけではない。  確か天気が良くて、心地よい風が吹いていたような気がするけど、正直よく覚えていない。  本当に、なんとなく散歩をしていた。  目的地も決めていなかった。  ただ歩きたいほうへ、あてもなく歩き続けた。  それでしばらく歩いていて、これ以上行くと遠くなりすぎるし、そろそろ帰ろうかな、なんて考え始めたころだった。  大きな木が、目の前に立っていた。  それはとても大きくて、僕はその木を見に、近くへ行った。  その根元まで行って、そして目の前の木の大きさに驚いた。なんだかさっき見た時よりも、さらに大きいように見えた。  その恐ろしく太い幹は、僕が両手を広げるよりもずっと広かった。見上げてみても、たくさんの葉っぱに覆われていて、木のてっぺんどころか、空すら見えなかった。  日の光が届いていないせいで、木の下は少し暗くて、涼しかった。まるでここだけ、ほかの世界から切り離されているかのようだった。  木の周りをぐるっと回ってみると、その裏に、何やら看板?がひっそりと立っているのを見つけた。  この木の樹齢でもわからないかなと思って、看板を読んでみようとしたのだけれど、 どうも古い文字で書かれているようで、僕は読むのをやめた。  頑張れば少しは読める部分があるかもしれなかったが、面倒だし、そもそも僕はこういった記念物的なものの近くにある看板系のものをしっかり読むタイプではない。  まあはたして、ああいうのをちゃんと読むタイプの人がいるのかは知らないけど。  それでとりあえず僕は満足して、元の道に戻ろうと思って、木の正面に向かったときだった。  根本に、男の子がひとり、立っていた。  ブレザーを着ているので、おそらく高校生だろう。  身長はちょうど僕と一緒くらいで、その短い髪の毛と、元気そうな、少しあどけなさの残る顔だちは、活発そうな印象を与えた。 「こんにちは」  その男の子は言った。見かけに反した、静かな声だった。 「こんにちは」  と僕も返した。 「いい天気ですよね。今日。こういう日は、散歩をしたくなりますよね」  とその子は言うと、僕の方へ向かって歩いてきた。 「急な話で申し訳ないのですけど、ちょっとお願い事をしてもいいですか?」  僕は頷いた。どうせ暇だし、特に断る理由もなかった。 「ありがとうございます」  そういうと男の子は、ブレザーのポケットから何かを取り出した。 「このナイフで、僕を刺して、殺してほしいんです」  刃渡り10センチほどの、折りたたまれたジャックナイフを広げながら、その子は言った。 「もし無理だと言ったら、今ここで、これであなたを刺して殺します」  とっさに距離を取ろうとした僕を見て、彼はそう言った。 「僕を殺したことは誰にもばれません。心配なら、手袋を用意してます。返り血が不安なら、レインコートもあります。誰かに恨まれて、犯人捜しをされたりもしません」  しばらく、沈黙が続いた。  どれくらいたっただろう。  僕は、彼を殺すことを、殺人を犯すことを危惧しているわけでは無かった。  まして、それがばれることを恐れているわけでもない。  だから、絶対にばれないからという理由で、そういった後ろ向きな理由で、彼を殺したわけでは無い。  だからと言って、人を殺したかったり、そういった好奇心によるものでもなかった。  彼からナイフを受け取り、その刃を彼の首に刺し、殺した。  そして、その場所を後にして、家に帰った。  僕はなぜ彼を殺したのか。  本気で逃げたり、必死に説得してみれば、あるいは彼を殺さずに済んだかもしれない。  彼を殺すにしろ、殺さないにしろ、何かできることが他にあったのではないか。  もっと彼に、誠実に向き合うことができたのではないか。  結局のところ、殺人を犯すということについてすら、僕は自分の意志で彼を殺したわけでは無かった。  殺さないと、殺される。  恐怖を、自分の理由にしただけだった。  もうもとには戻れないのだ。  あれから、あの木のもとへ向かうことは無かった。  なぜあの木を、こうやって懐かしく思うのかさえ、忘れてしまった。  僕は、あの生ぬるい、返り血の温度だけを、覚えている。

絵を描くおはなし。(少女漫画っぽさがあるかもしれません。)

午後4時30分 オレンジ色の光が窓から差し込む。 筆を走らせる音と静かな呼吸音。 そこには若い男女が二人。 その間にはキャンバスが立てられていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 私は一目惚れをしてしまったのだろう。 深い海のような青色の髪をした彼。 一度視線を向けてしまえば溺れてどんどん沈んでいく。 「ねぇ貴方を描きたい。」 突拍子もないことを私は口から零してしまった。 そんな私の言葉に彼は目を丸くしながらも 微笑んで「いいよ。」と言ってくれた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 午後4時、授業が終わったあと美術室に来て。 私はそう告げて教室に戻った。 数時間後、学校の終わりを告げる鐘の音が校舎に鳴り響き、皆がガヤガヤと帰りの支度を始める。 私は早足で美術室に向かった。 ガラリと教室の扉を開けて彼がまだ来ていないことを確認する。少し物を片付けてキャンバスを置く。キャンバスの前とその向こうに椅子を置き画材を広げて彼に合う色を探す。 (底深い、深海のように暗い髪。それを陽の光がすくい上げるように照らして青が透ける。) 深く思案していたらふと、ガラリと扉が開き、深い青色の髪を持つ彼と目が合った。 「こんにちは。」 「来てくれてありがとう。」 少しの挨拶を交わしながらここに座って待っていてと彼に伝える。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 外から聞こえる運動部の声、少し離れた教室から聞こえる吹奏楽の音色、そして筆と筆が弾き合う音。 彼は目を伏せ音に耳を傾けている。 夕日が彼の深い青に光を差す。それはまさに夕暮れの海だった。 そんな彼を見つめながらキャンバスに筆を走らせていく。 アタリを描きそれを練り消しゴムで軽く削る。 彼の繊細さ、美しさを忘れないように意識しながら彼を見つめる。 目を伏せる彼はとても美しい。 長く細いまつ毛が揺らめいて陽の光に反射する。 その細やかなところも見ながら筆を走らせる。 シャッシャと鉛筆を走らす音と静かな呼吸音 数時間後、彼のデッサンが終わった。窓を見ればもう運動部の生徒たちは帰る準備をしているところだった。私もキリがいいと思い彼に声をかける。 「とりあえずデッサンが終わったよ。今日はここまでで大丈夫。付き合わせてごめんね。」 明日は色を塗っていくんだけど来るか来ないかの判断は君に任せるよ。 私は彼にそう告げて片付けを始める。 「大丈夫だよ。明日も特に予定は無いから。授業が終わり次第また来るね。」 彼はそう告げて鞄を手に持ち美術室を去っていった。

空は家に来て、幸せかな?私は空に出会えてよかったよ。ありがとう。大好きだよ。長生きしてね。そら、ごめんね、弱くてごめんね。。。

空、空と出会ったのは私が高校二年生の春だったね。お母さんと空のお姉ちゃんか空を引き取りたいって言ったんだ。もう居ないかな、とか言ってたけれど行ったら空は隅の方で固まってて。。でも私が話しかけたら怯えながらも寄ってきてくれて。私嬉しかったな。空、私ね空に出会えて良かった。空が色んな意味で私を変えてくれたの。空ってね、大きな意味があるんだって。お母さんが 教えてくれたの。理由はね、この広い青空のように大きく広々と健やかに大きくそして成長して欲しい。保護犬だけど自由に生きてという意味で空って名前にしたんだって。空ちゃんは、私が泣いてるといつもそばに寄り添ってくれたね。私が高校で嫌なことあって物を投げていた時空は私の両手を止めたり私が死にたい!!って泣き叫ぶと空は優しく私にお手をしてくれる。空、ごめんね 私は空がいなかったらほんとに自殺してた。でも空と出会えてね少しずつ本当の私に出会えてるのよ。空、ありがとう。こんな飼い主を選んでくれてありがとう。空は私の家に来て幸せかな??空あんたと出会う前ね私には大切な大切な友達がいたの。はなちゃんっているでしょ、あの子のままと仲良くしてたの。私ね、はなちゃんのままと 仲良くしててさ。はなちゃんのお母さんはとても優しくて愛嬌があってね、私のお姉ちゃんだったんだ。でもねはなちゃんのお母さんは突然虹の橋に行ったの。私はショックで泣き崩れたの。 でも空に出会えるまではなちゃんのまま(もえちゃん)って言うんだけど、はなちゃんのお母さんが亡くなってしばらくした頃、はなちゃんと瓜二つの犬がいて。で、この子もらったの??って聞いたらもえのこどもだよーって言われて。はなちゃんはまるでもえちゃんにそっくりで。でもやっぱり慣れるまで触れなかった。でも空を迎え入れるって聞いたらその人は優しいからじゃあうちのはなでならしなよ!って触らせてくれたの。そしていざ空を迎え入れる時最初はドキドキも不安もあった。けど…NPO着いたらさいろんなワンコがいて中に入る度にいらしゃいませー!みたいに吠えてくる子もいたしね。でも私、空に出会えてよかったよ。私ね今更だけど空に出会えてよかった。空、ありがとう。こんな飼い主と出会って苦労も不安も悲しみもいっぱいさせた。空、ごめんね。ごめんね、弱くてごめんね…空を悲しませたくない。けど…。いつか絶対に伝えないといけないかもね、、空、お母さんやまだ妹たちには言わないで、私…アスペルガー症候群持ってるでしょ、それと最近血痰、痰に血が交じったりしてるの。 でも空とプリンが虹の橋に行くまでは私生きたい。空たちをきちんと見届けて自分の役目を果たしてから亡くなりたい。自閉症スペクトラム障害は平均寿命も短い、もちろんガンや心不全のリスクも上がるんだって。だから空を遺して死ぬのが今怖いの。もちろん、プリンたちも遺していきたくないよ。けど空と死ぬ前に出会えてよかったのかも、いっぱい人様に迷惑かけたんだもん、空これからもたくさん思い出作ろうね、空ぷりん 選んでくれてありがとう。これからもどうか 笑って生きていこう 空、愛してる これからもよろしくね!!

あえて言うなら、三十秒

「あたし、雨ってあんまり好きじゃない」  雨粒で洗われる窓ガラスを眺めながら、藤花は吐き捨てるようにそう言った。机に肘をついてぼうっとしながら、指先ではミディアムショートの髪をくるくると遊ばせている。  雨の日は髪がうねるからね、と返してやると、彼女はひどくむすむすとした顔をして、ボクのほうを振り返る。雨天のせいで薄暗い室内に、色素の薄い藤色の瞳がきらりとまたたいた。 「ばっか、そんなつまんない理由じゃないし」 「おや……じゃあ、どうしてかな?」  読みかけの書籍を静かに閉じて、藤色の少女に向き直る。年端もいかぬ少女は無防備に両足を投げ出したままボクのことを見つめており、半ば驕りにも似た信頼感が、所作の端々から伝わってくるようだ。 「雨の日ってさ、みんな元気ないじゃん。台も、鶲さんも、微妙に暗い顔してるっていうか」  くる、くる、くる。細い指先は相変わらず、手持ち無沙汰を慰めるように毛先と戯れている。  どことなくぶっきらぼうにも思える物言いからは確かな気遣いがうかがえた。素直に感情を表に出すことが少ない藤花より漏れ出る、彼女なりの愛情の証だ。  わかりやすく言うならいわゆる「デレ」というやつだろうか――ボクは柄にもなく胸が弾むのを感じ、少し浮ついて言葉を返す。 「そうか、キミにはそんなふうに見えているんだね」 「違うの?」 「うーん……そうだね。鶲はわからないけど、少なくともボクはもう少し違うことを考えているよ」  やわい頬に手を添えながら言うと、藤花はそれを振り払うことこそしないものの、訝しげに目を眇めてボクのことを見やる。  その目はべつにボクを嫌っているわけではなく、ただ、その真意が読み取れなくて戸惑っているだけだろう。じれったいな、と急かされる前に、さっさと答えを示してやる。 「こういった日はどうしても選択肢が限られてしまうからね。キミみたいなお姫様を満足させるにはどうするべきか、そればかりに頭を悩ませているんだ」  ふわりと膝の裏をすくって横抱きにしてやると、藤花は慣れたように頬を寄せて甘えてきた。暇を持て余していた指先はボクの首筋へと伸びて、そのままぎゅう、としがみついてくる。 「……そんなの、気にしなくていいのに」  あたし、一緒にいられるだけで嬉しいよ――  お姫様の最大のデレを受け取って、ボクは思わず口元を緩ませてしまう。だらしないそのさまを見られて苦言を呈されるまで、果たしてあと何秒かかるだろうか。

知らん顔

ものすごく、おかしな時間に起きる それが理由なのか なんだか変な感じが体にある 言葉では、どうとは言い表せらんない だいぶ、疲れてるのかな 自分では、そのあたり よく分からない 暑いなか、本を読む ページをめくるとき 紙に汗がついてしまう しみていく汗を見ながら 本に、ごめんね、をする いつもより多く、コメントがつく 自分の投稿ではないので なんだか、ちょっぴり複雑 ねこに教えてあげる 一瞬、ニヤリとされるも 基本、知らん顔 キーボードをよく見てみる うすくキズがついている どうやら、ツメで 打っていたらしい ちょっと感心 ねこに、ありがとう、をする 一瞬、ニヤリとされるも やっぱり、知らん顔

相合傘

 外はひどい雨だった。ぼくは学校の下駄箱で立ち尽くすしかなかった。  今日は一日晴れるって天気予報で言っていたから、ぼくは傘を持ってこなかったのだ。その結果が、この土砂降りだ。傘なしで外に出ようものなら、一瞬でびしょびしょになってしまうことだろう。  でも、ぼくは早く家に帰らなければならない。見たいテレビ番組があるのだ。こういう時に限って録画していないものだ。どうして見つけた時に録画を設定しておかなかったのか、ぼくは自分を責めていた。  どうしよう。いや、でも、行くしかないよな。雨は止みそうにないし、そろそろ学校を出ないと間に合わない。 「あれ、佐藤くん?」  名前を呼ばれて振り返ると、同じクラスの田中さんがいた。こんな状況で出会うとは思っておらず、ぼくは驚きを隠せない。  田中さんは校内一の美少女と呼ばれるくらい可愛い女子生徒だ。これまでに散っていった男の数は数知れず、その中には教師も含まれているとかいう噂もある。日陰でひっそりと生きてきたようなぼくとは対極にいる存在だ。クラスメイトでなければ、ぼくの名前なんて覚えているはずもない。  田中さんの手には傘が握られていた。今ぼくが最も欲しているものだ。だからといって、どうにかできる話でもない。まさか田中さんから奪うわけにもいかない。 「佐藤くん、傘ないの?」 「ああ、うん、今日は降らないって予報だったから」 「そう。入る?」 「えっ?」  田中さんが何を言っているのか理解できなかった。ぼくは聞き返した。 「ごめん、よく聞こえなかった」 「一緒に入る? 家まで送るよ」  もう一度聞いても理解できなかった。ぼくは頭を掻いた。  田中さんと相合傘だって? そんなの、許されるのか? 誰かに見られたら殺されるんじゃないのか?  田中さんはぼくの葛藤など知らず、さっさと靴を履き替えてぼくの横に並ぶ。大きい傘だから、詰めれば二人入ることができそうなサイズだった。 「佐藤くん、家近いでしょ? いいよ、一緒に帰ろ」 「えっ、いや、いいよ、悪いよ」 「気にしない気にしない。さ、帰ろ?」  田中さんはぼくの返答などお構いなしに傘を開いてしまう。これは、断るほうが骨を折りそうだ。  大丈夫。向こうから言ってきたんだし、ぼくは何も悪くない。ぼくはただ、傘を貸してもらっただけだ。何もやましいことはない。田中さんと相合傘ができるなんてラッキー、とか思ってはいけない。 「じゃあ、お言葉に甘えて」 「どうぞー」  ぼくは田中さんに身を寄せて、傘に入れてもらう。ざあざあと傘に雨が当たる音がうるさい。それよりも、ぼくの心音のほうがうるさかった。 「佐藤くん、濡れちゃうよ。もっと寄っていいよ」 「あ、うん」  そう言われて、肩が触れ合う。ぼくはどきりとして、また離れる。 「ほら、またぁ。濡れちゃうってば」  田中さんは笑いながらぼくに近寄ってくる。ぼくの心臓が壊れそうなくらい速く拍動している。この緊張感がなくなれば、ぼくは幸福感だけに浸ることができるのに。 「校内一の美少女との相合傘だよ。もっと楽しまなきゃ」 「それ、自分で言う?」 「佐藤くんが緊張してるみたいだったからさぁ、冗談でも言ってあげようかと思って」  それならもっと笑える冗談にしてほしかった。いや、今のぼくを笑わせることができる冗談などありはしない。ぼくはがちがちに緊張してしまっているのだから。 「あとちょっとで終わっちゃうよ。ほら、楽しんで」  田中さんは笑いながら言った。楽しんでいるのは田中さんのほうだと思った。  家に帰ってから気がついた。  どうして、田中さんはぼくの家が近いことを知っていたのだろう?

ある夏の朝

カーテンでは遮れない光が部屋に差し込む。 ぐだぐだと身体を起こし、 重い窓をやっとの思いで開けると、 むしっとした湿気がまとわりつく。 人々のキャッキャする声が聞こえる。 雲ひとつない青空が広がっている。 「はぁ…。」 目覚めたばかりの私を寂しくさせてくれるな。 外へ連れ出してくれる彼がいればと思う、 そんなある夏の朝のこと。

愛の本性

「愛とは許すことだ」 と、どこかで聞いたことがある。 いつもなら嫌なことだけどこの人なら許せる、この人なら我慢できる、とかそういうもの。 たしかに、それは一理あるだろう。 だが、本当の愛とは自然と受け入れていること、だと私は思う。 許そうとせずとも、我慢せずとも受け入れられること。 気づいたら受け入れてしまっているといったような、そんなもの。 自分とは違う考え方や行動なのに、自然とそれがぴったりはまっていて不思議なあの感じ。 それが愛だと思う。 「結婚生活は我慢の連続」 というけれど、それは本当の愛なのだろうか。 自分と異なることを認められないからこそ、我慢をしなければいけない。 それを自然と認められるようになることが愛ならば、我慢をする結婚生活に愛はないのではないだろうか。 「夫婦円満の秘訣はお互いの空気になること」 これが私の中で一番しっくりきた言葉だ。 お互いが空気のように、ごく自然にいられる関係。 当たり前のようにそこにあって、なくてはならない存在だけど、無理に意識する必要があるものでもない、そんな関係性。 決して冷めているわけではなくて、本当の愛がそこにあるからこそ成り立つ関係で、本当の愛がある夫婦だからこそ行き着く境地だと思う。 愛は"する"ものではない、愛は"そこにある"。 しようとせずともしてしまっているもの。 それができる相手に出会えたらそれは奇跡であり運命であり愛である。

透く世界

 ふと空を見れば、突き抜ける蒼さに心が安らぐ。  遙か上の空気に漂う雲は優しげだ。  目線を下ろせば、見慣れた人と道と街。安心を与えてくれるぬるま湯につかって日常を送る。  けれど、あの空の蒼さは可視光線の一種であるし、雲はミクロな水蒸気の集まりだ。  人はいつかいなくなるし、道も街も、廃れゆく。  私が生きている内に価値があると望んだものは、私が消えれば価値を失う。  価値の喪失ではなく、本来の在り方へ回帰する。  おしなべて、この世界に価値はない。

緊張の一瞬(BL)

 付き合い始めて半年ほど経つけれど、なかなかお互い一歩先に進めないことに焦りを感じ始めている。ただ、その一歩を踏み越えてしまったら抑えが効かなくなってしまうかもしれないという変な心配もあった。  手を繋ぐだけでどきどきと高鳴る心臓が、キスをしてそれ以上となれば呼吸が追いつかず息ができなくなってしまうかもしれない。  きっとまだ時期じゃない――。 「週末は、俺ん家で映画でも観るか?」 「うん。いいよ」 「じゃあ、10時くらいに集合でいい?」 「わかった。じゃあ、10時過ぎに行かせてもらう。着いたら連絡する」 「了解」  ついさっきテスト期間が終了して、終業式までのテスト休みに入るということで、ようやく勉強から解放されるから、まずはのんびりと家で過ごそうって意見が一致した。  なにを観るかまでは決まっていないけれど、今は便利なことにTVで映画が観れちゃったりするアプリがあるわけで、わざわざレンタルショップへ行く手間もない。  テスト期間中の放課後は勉強ばかりでデートらしいデートができるわけでもないから、正直触れたい度が上昇中だ。  明日は、ちょっとくらい近くに寄ってもいいのかな?  肩が触れるくらいの距離なら近づいてもいいかな?  約束の時間より少し前に家の前に到着したけれど、スマホとにらめっこしながら時間がくるのを静かに待っていると、二階のカーテンが開く音がして、そのすぐ後に窓が開けば、そこからひょっこりと柊が顔を出す。 「いるなら連絡すればいいのに」 「いや、時間より早くついちゃったから」 「すぐ降りるから」 「うん」  すっと姿が見えなくなったかと思えば、ほんの数秒で玄関のドアが開いて普段着の柊が現れた。制服姿も格好いいけれど、私服も格好いい。 「どうぞ」 「あっ、うん」  玄関から出てくることなく中に入るようにとドアを目一杯開いて待ってくれているから、小走りをしてそちらへと近づいて行った。  家の中へお邪魔すると、そのまま部屋へと通されてベッドにもたれかかるようにして座って待っていたら、飲み物を持った柊が戻ってきた。 「ポテチでいい?」 「あっ、うん」 「よし、じゃあ早速観るか」  テレビのリモコンを手に取り、ポワンという音が鳴ってから時間差で画面がつく。せっかくだから観たことのないアクションものを観ることになり、選局する。  始めはとりとめなく観れていた映画が、終盤に差し掛かってくると怪しい展開へと変わっていく。さっきまでアクションシーンを演じていた俳優さんが恋人と愛し合うシーンが流れ始めて、心臓が煩いくらいにばくばく音をたて始めた。  だからといって顔を逸らすのはあからさますぎる気がして、とりあえず画面を見つめたままでいると、床に置いていた手に柊の指先が触れる。  そんな状況に緊張していることは間違いなくて、心臓も手も震えが止まらない。 「なあ、俺たちもあんな風にしてみる?」 「えっ……?」  耳元で小さく問いかけられて、驚いた僕は勢いよく顔を上げてしまった。真っ直ぐにこちらを見ていた柊とばっちり視線がかち合って、恥ずかしくておろおろしている僕を見て、柊がふふって笑う。 「冗談だよ」 「じょ、うだん……?」 「こんな震えてんのに、手出せるわけないじゃん」 「いや、これは緊張して……」 「わかってるよ。だって、俺もすっげぇ緊張してるから」  そう言って、重なっていた手を握ると自分の方へ引き寄せて胸元へ近づけた。 ――とく、とく、とく――  そこから同じように緊張しているのが伝わってくる速さの鼓動が響いてきて、なんだかふと強ばっていた身体の力が抜けた気がした。 「同じだね」 「そりゃそうだよ」 「なんかほっとした」 「俺も」  二人して顔を見合わせて笑う。  今はまだこうして手を繋ぐだけで十分すぎるほど幸せで、でもいつかアクション俳優さんと恋人のように、恋人らしいこともできたらもっと幸せなんだろうなって思う。  久しぶりの二人で過ごす時間は、肩が触れ合う距離くらいがちょうどいい。  きゅっと手を握り直して僕たちはまたTVの画面へと向き直った。

『骸の肌理』

美しさで生きていけると 目を閉じていた その心の世界こそが 現実に見えてた 「正しさとはかくあるべき」と 隣の笑顔を守れずに来た 当たり前過ぎたこれまでが 「歪みでした」と 言わせる世の中が逆に歪みで この正しさは真実のたぐい 芸術家が探してきたものだと 教えてくれた作品がまだ 世のここにある 聖火のように受け継いだ この輝きが弱さでも… - 探してるものが僕だった 僕には足りない僕だった 真裏が表の輪のように 気付けばそこにある僕だった 探してるものが僕だった 僕に愛を預けた僕だった 孤独が掟の名のように あの日もそこにいた僕だった それを踏まえ明日、僕は どんな意味を探し、書くのか = 1番大事なものが ずっと隣にあったと 1番大事にしてた日々が 壊れて知るのは 皮肉でも 悪戯でもなくて 悲劇のような喜劇の継承 - 興醒めだって 去り行く背中を押して もじもじしてくれる憧れに 手を振る そんな誰かが素敵に見えて がらにもなく僕も詩をつづる 教えてくれた作品がまだ 世のここにある 聖火のように受け継いだ この輝きを明日が拒むとて 書くよ - 探してるものが僕だった 僕には足りない僕だった 真裏が表の輪のように 気付けばそこにある僕だった それを踏まえ明日、僕は どんな意味を探し、書くのか = 骸に沸いた蛆を食べ 病んできた世間の遥かで 今日も星を探す想いの後ろへ その光が照らした陰が伸びてる 君だ = 美しさで生きていけると 目を閉じていた その心の世界こそが 現実に見えてた 「正しさとはかくあるべき」と 隣の笑顔を守れずにいた = 探してるものが僕だった 僕には足りない僕だった 真裏が表の輪のように 気付けばそこにある僕だった 探してるものが僕だった 僕に愛を預けた僕だった 孤独が掟の名のように あの日もそこにいた僕だった それを踏まえ明日、僕は どんな意味を探し、書くのか そして出会う君と朝に この詩が昨日であればな

感情ストッパー

 鎖骨の真ん中には穴が開いていて、穴にはリングピンが差し込まれている。  これは、感情を伝えるための導線の一部。  リングピンを抜けば、感情が動かなくなる。    名を、感情ストッパー。   「何だこの野郎!」    拳を振り上げた瞬間、少年からリングピンが抜ける。  激しい怒りが収まって、少年の拳が自然と下がる。   「ごめん。俺、ちょっと頭に血がのぼってた」   「いや、こっちこそ」    感情ストッパーは、激しい感情が流れると自動的に抜けて、その感情を中断させる。  感情ストッパーが社会に与えた影響は大きい。    突発的な殺意。  突発的な性欲。  犯罪に繋がりかねない感情を抑え込む。  これにより、日本の殺人と性犯罪は大きく減少した。    理性を持った計画的なものはまだ防ぐことはできていないが、感情ストッパーが進化すれば検知できるのはと期待されている。    ただし、感情ストッパーには、不安の声も上がっている。  感情の抑制は、本当に人間らしいのか。    例えば、卒業式。  かつては涙を流し、抱き合っていた子供たちも、今では淡々と儀式をこなす。  混み上がる感動も、悲しさも、全部感情ストッパーが止めてしまう。    そしてなにより、最も社会問題となっているのが、自殺率の向上だ。  衝動的な自殺願望は、感情ストッパーによって収まる。  その後、恐怖という感情さえなくなった自殺未遂者は、冷静に生いきるかと死ぬかを考え、結果自殺に踏み切っている傾向にある。    冷静に考えて、生きたい世界の構築。  政府は、目下対応に迫られている。

優しい呪い

「本当によろしいんですね」 「はい」 私は力無い目で、目の前の悪魔に言う。 悪魔は、空気を縦に混ぜるように手を動かす。 次第に、見えないはずの空気の流れが見え始め、それは紫の煙となった。 「あなたから彼の記憶を消す、それでよろしいですか?」 「はい」 「この煙を吸い込めば、それは叶います。しかし、吸い込んだ瞬間から、あなたが彼を思い出すことはありません」 「はい」 「たとえ、彼があなたのことを覚えていて声をかけたとしても、あなたは数分後には彼に話しかけられたことも忘れるでしょう。もし彼があなたに愛の告白をしても、あなたは吐き気を催すでしょう。それでも、よろしいんですね」 「っ、しつこいですね」 「悪魔とはいえ、無理やり呪いをかけるわけにはいきません。それなりにお代も貰っていますし」 悪魔のくせに律儀だ。 「…呪いが、解けることはありますか」 ふと気になった。 別に、さっきの悪魔の言葉にビビったわけではない。 悪魔は絶えず、手を動かしながら口を開く。 「あります。あれは、50年ほど前でしたね。あなたくらいのお嬢さんが、好きな彼を忘れたいと訪ねてきました。お嬢さんの好きな彼は、すでに既婚者で子どももいたそうで…でも、なかなか諦めきれない彼女は呪いを頼りにしました。私は言われるがまま呪いをかけ、彼女は生まれ変わって帰っていきました」 悪魔は時折、目を伏せたり上を見たりして記憶を呼び起こすかのような素振りを見せる。 「それで?」 「数年後、彼女が顔を青白くして訪ねてきました。彼が離婚したと、子どもは相手方に預けられたと。そして彼女は、彼が私に告白をしてきたと言ったんです」 「…でも、呪いは」 「そうです。呪いは彼女を苦しめました。アプローチしてくる彼に好意を向けようものなら、吐き気やめまいに襲われ、彼を思えば思うほど鬱のようになっていきました」 「おかしくない?たとえ彼に話しかけられても、すぐに彼のこと忘れるんでしょう?」 「そうもいかないくらい…彼への思いが強かったんでしょう。追い詰められた彼女はついに、自ら命を絶ちました」 悪魔は終わりというように、ずっと動かしていた手をやめた。 煙も跡形もなく消える。 ・ 「今回は、おやめになられては?」 「っは…」 悪魔の問いかけで、やっと自分が全身汗だくになっていることに気がついた。 「呪いなんて、いつだってかけられます」 悪魔は赤い目を細めた。 少しだけ、気持ちが軽くなった気がした。

道の途中【BL】

彼は私の永い生の中に現れた唯一のひとでした。 暗い夜道に突如空に昇った星でありました。あてどなく歩く道を、もしやもう違えてしまったのではと不安に震える道中に、そこを目指せば良いのだと私を駆け出させる希望の火でありました。 実際には彼は隣にいて、いつでも私の手を引いてくれたので、旅人の星に喩えるよりは、掲げるランタンの方がいいのでしょうか。 ああ、遠すぎて温度の分からない星よりは、ランタンの方がうってつけかもしれない。彼の隣は温かかったのです。どんなに寒い冬の雪の日も、普段と変わらずに。 私は彼から多くを学びました。気遣いやら、笑わせ方やら、愛し方を。彼と同じにはできはしませんでしたが、彼のその様はたいへん、うつくしかったのです。全部、彼の言う愛によるものでありましたから、それを持たぬ私は、彼から見るこの世界はどれほど輝いているのだろうといつも不思議に思っておりました。 我々はどうやら同じものを見ることはできないのだ、と知ったのは、彼はとうに気付いていたのかもしれませんが、少なくとも私が知ってしまったのは、もう戻ることが叶わぬほど歩いた後でした。 歩き始めた地点はおろか、一度一人分が途切れた足跡の痕跡も見ることが叶わぬほど遠くまで来てからでした。 彼は変わらず私の手元にありました。この先どうしよう、と彼は決して言いませんでした。振り返る素振りすら私の見ている前ではしませんでした。 不安とともに私の手を握る掌に、ここに来てようやく、彼も私と同じくして、道を知らなかったのだと気付いたのです。 二人して道を失いましたが、私は別段悪い気はしませんでした。思えばここまで既に散々迷い、何故この彷徨い歩いた果てに、私の望む場所に、彼が連れて行ってくれるのだと疑うことなく信じていたのだろうと今更おかしくなったのです。 悪い気はしませんでしたが、悪いことをした気にはなりました。何故同じになれないのだろうと、苦しむ彼をずっと、隣で見てきたからです。彼は星でなくランタンでした。 連れ歩いたのは私です。

スワロー

どれくらい沈んだのだろう。かすかにでも届く光がずっと僕を照らし続けている。仰向けのまま没む僕の体を。無重力のよう。沈む。ただひたすら、何も起きることなく沈む。ずっと長い間、それだけ。それだけだったと思う。気がつけば僕の体は何かに呑み込まれ、消化されるように沈んでいた。 やっと助けを求める機能が働いてきた僕の頭を、僕の本能がフル稼働させ始めた。まず何をするべきなのだろう。なにもない視界。薄暗い、ずっと薄暗いまま。もしかして、もう真っ暗なのだろうか。明るさの基準が僕の体からはとうになくなってるのかもしれないと僕は思う。僕の目が勘違いをしているのかもしれない。僕は思考の方向を正すために頭を振る。そんなことはどうでもいい。まずは自分の状況を確かめるヒントが欲しい。ここがどこなのか、何なのか。だから、そう、体をうまく動かせるようにしないといけない。辺りを見回したり移動できれば何か見つけられるかもしれないだろう。僕は手足をクロールでもするように回し始める。もがく、足掻いてみる。しかし、手足は空間を滑る。手足をばたつかせる。ぐちゃぐちゃにかき回す。体全体をありったけのエネルギーで動かす。ぐわんぐわんと僕の頭が揺れる。首が少し嫌な音を立てるのを僕は聞く。しかし視点は変わることがない。姿勢をもとに戻せば初めと同じありようだ。だいぶエネルギーが減ったこと以外は何ら五分前と代わらない。僕は少し体を丸めてみることにした。腹を見るように首を曲げ脚を引いて頭と近づけてみる。僕に届く僕の鼓動が大きくなる。でもこれは耳から届くものではない。体の内側から届く鼓動の音。今更気づく。光がかすかにしか届かない上、僕は何も聞こえていなかった。そのまま体をひねるようにして一気に体を広げる。少しの抵抗が僕の体にかかる。体の軸が回転したような気がする。しかしすぐにとまる。止まるだけでなく戻る方向に回転し始める僕の体。磁石がついているような、紐で縛られているような。何回か繰り返して止まった。僕の体はもとのまま、上を見上げていた。 それから僕はただ全身をかき回していた。しばらくの間、全身でもがいていた。それでも、光のある方向を見る僕の体を動かすことはできなかった。 だんだんと全身が疲労で動かなくなってきた。ぐったりとしている。高熱を出したときに似ているだろうか。僕の体に粘りつく疲労。僕は身体を動かすことをやめる。仕方がないだろう。僕はまた、数十分前と同じように、光の出どころを探すように上をただ見つめる。この無重力のような環境のせいだろうか。体を動かすことを止めても全身が休まっている気がしない。僕の体の上になにか重いものがのしかかっているよう。しばらくはこの疲労が回復しそうにない。そう僕の脳は判断する。仕方ない。別のことを考えてみることにした。 僕はなぜここにいるのだろう。僕がここにいる理由。エネルギー不足でで鈍くなった頭で考え始めた。そういえば、ここは夢の中のような気がする。僕はベッドに入ってから目が覚めた覚えがないことに気づく。疲労のせいだろうか。少し頭が痛み始める。少しの間考え事もやめるべきだろうかと僕は思う。しかし、眠った後目が覚めたような気もする。僕の体に新しい朝の記憶の欠片が残っている。朝の憂鬱さ。朝日の眩しさ。朝の街の煩さが体に染みついているようなのだ。頭の痛みが一段階大きくなる。それにつれて光がまぶしく感じてきて僕は横に目をそらした。 今更僕の体が不安を覚え始めた。そうか、夢でないならずっとこのままなのか。沈む。ずっと、沈む。ただ何も起きずに体も動かすことが叶わないままずっと沈む。ひたすら。微かな光を浴び続けるのだ。けれども頭が回らないせいで僕は恐怖をゆったりとしか感じない。丁度、日が沈む頃ににふと感じる怖さと同じだと気づいた。 心臓の裏で生まれた恐怖が血管を通って僕の全身にじんわりと送られていく。ゆっくりと、ゆっくりと。心地よい感じもする。 頭は痛いまま。 体は動かすことができない。 知らない怖さで満たされる僕の体。 沈んでいく、僕。 このまま、下へ、下へ。 止まることなく、沈む。 意識が遠のいていく、僕。 その上をぼんやりと光る何かが通った。 海月だ。 青い、淡い光を出す海月。ああ、きれいな海月だ。この怖さにぴったりだと僕は思う。回らない頭でも分かるほど、目の前で光る海月は美しい。 無意識のうちに僕は海月に手を伸ばしていた。ちょうど僕のエネルギーが底をつくと同時に右手が海月に届く。 目が覚めた。僕は、恐怖に追われてすぐさま飛び起きた。全身が異様なほどの量の汗でぐっしょりと濡れていた。 何も無い日曜の朝だった。

ちゃんと注文を取りに来い

 近所のレストランに、変な板が設置された。  タブレットとか言うやつで、注文はこれからするらしい。  ちょっと触ってみたが意味が分からないので、呼び出しベルを鳴らした。   「はーい」   「こんなのに頼ってサボらないで、ちゃんと注文を取りに来い!」    私、店のためにクレームを入れてやった。  商売とは、人と人とのつながりが最も大事だ。  大切な繋がりである注文の手を抜くなんて、言語道断だ。   「わかりましたー。上に、伝えておきますね」    バイトの女は笑った顔のまま礼をして、注文を取り始めた。        一週間後。  レストランから板が消えた。  いい傾向だ。    私は、呼び出しベルを押した。   「七番テーブル様から呼び出しが入りましたー。ただいま二十七人待ちとなっておりますー。少々お待ちくださいませー!」   「あん??」    たっぷり二十分待たされて、ようやく店長がテーブルにやって来た。  なんで店長?   「遅い!」   「申し訳ございません。何分、バイトがいない物でして」   「先週は、女がいただろ?」   「辞めまして」   「……まあ、いいか。じゃあ、注文を」   「ありがとうございます。注文、三十人待ちとなっております。少々お待ちくださいませ」   「ああ!?」    たっぷり待ち時間があった。  ボーっと店内を眺めていた。    バイト急募の貼り紙には、居酒屋並みのバイト代が書かれているが、バイトの姿は一人も見えない。  バイトは、一体どこへ行ってしまったんだ。    料理が運ばれてきたタイミングで、店長が口を開く。   「ちなみにお客様、バイトに興味は?」   「あるわけねえだろ」   「ですよねー。ホールスタッフのバイトは応募が来ないし、注文用タブレットを設置するとクレームが来るし、ああもうどうすればいいんだ」   「それを考えるのが、店長の仕事だろう? 効率化しろ、効率化!」    つまらない愚痴を聞かされた。  今日の飯は、ひと際まずかった。        一週間後。  店は閉店していた。    俺は、見事に夕食難民となった。    どうしてこうなった。

求められないアドバイス

「お前は文系より理系に行くべきだ」   「お前の成績なら、A大学の医学部がいいぞ」   「ボランティアしてみないか? 人手が足りないんだ。内申点も上がるぞ」    先生、学生の頃はたくさんアドバイスしてくれてありがとうございました。  先生の言う通り行動して、先生の望む進路に進みました。  おかげで、まあまあ良い生活ができています。    でも、先生を見習って色んな人にアドバイスをしているのですが、あまりいい顔をされません。  どうしてでしょうか。  和代謝、相手のためを思っていっているのに。    先生、今どこにいますか。  今日始めて、私は貴方にアドバイスを求めます。    アドバイスって、どういう時にすればいいんでしょうか。    求められていないアドバイスをされ続けた私の学校生活が、間違っていたなんて思いたくないんです。  教えてください、先生。

わずか数分の出来事だった

 夏の夜、テーブルの上に置いていたコップは結露していて、数多の雫がテーブルへと滑り落ちていた。それらは得てしてちいさな洪水のようであり、わたしの不注意もあわさって、そばに置いていたヘアゴムを驚くほどびしょびしょに濡らしている。  机上の事件に気づいたのは、作業のために髪を結ぼうとヘアゴムを手繰ったときだった。わたしはちいさく「あ、」と声を落として、近くにあったティッシュでヘアゴムの水分を飛ばそうとした。  その一連の事象がなんだかやけに愛おしく、自分という存在を彩る宝物のような気がした。灰色の平坦な人生が、ほんの一瞬だけ文学的で、繊細なものに見えたのだ。  ゆえにわたしは日記さながらに、このわずか数分の出来事を、ささやかな物語として書き留めようとしたのだった。

情 報 提 供 の お 願 い

この人をさがしています 名前:稲崎 若菜(いなさき もな)さん 性別:女性 年齢:23歳 身長:159.3cm 体重:49.8kg 身体的特徴: 痩せ型、丸顔、黒髪のロングヘア 服装: 青と白のストライプシャツ、紺のデニム、黒のスニーカー 持ち物: 緑の財布、スマートフォン、睡蓮の会の名刺 状況: 令和〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分〇〇秒、××県××郡××村の村民センターにて行われる「村民会」の前日に行方不明になりました。どんな情報でも構いません。彼女は絶対に逃がしてはなりません。心当たりのある方は、下記の連絡先にお知らせください。 ※混乱を避ける為、警察等には連絡をしないよう、お願いいたします。 連絡先:××県××郡××村 睡蓮の会 電話番号:△△△-△△△△-△△△△

物忘れの防ぎ方

 オレの友人は物忘れが激しい。  一緒に買い物に来たところ、手書きのメモを見ながらカートに物を入れ始めた。 「スマホのメモアプリを使った方が、忘れる心配もないし便利やで」  オレが教えてあげると、彼はさっそくアプリをインストールした。そして感心したように笑みを浮かべた。 「凄い、これなら忘れんね」  だが、次に買い物に来た時、彼は困った表情でスマホとにらめっこしていた。 「どうした?」 「いや、この前教えてもらったメモアプリが、どこから見れるのか分からんくて」 「それなら通知機能を使えばいいよ。オレたち毎週決まった曜日に買い物に来るだろ、そのときに通知が届くようにすれば、それをタップしただけでアプリが開ける」  オレはメモアプリのプッシュ通知をオンに設定してあげた。彼はまたしても感心したように言った。 「ありがとう、これで大丈夫やね」  どうしてこうなってしまったのか。だが、なんとなく予想はしていた。  次に買い物に来た時、彼は青ざめた顔をしていた。理由を尋ねると、家にスマホを忘れたのだという。 「君があんなに丁寧にいろいろ教えてくれたのに、なんか申し訳なくて……」 「まあいいよ。人間、誰しも忘れちまうことはあるし」  彼は「ごめんね」と言った。 「別に、俺は気にしちゃおらんよ。ただ、さすがにお前の物忘れは激しすぎるし、何か対策を考えないと、今後の人生でいろいろ損をしてしまうかもしれんな」  彼は深刻な表情で「そうやね」と言った。  スマホ自体を忘れられては、さすがの俺もアドバイスするのが難しかった。  そして次の買い物に来た時。  合流した彼は満面の笑みを浮かべていた。そしてポケットからスマホを取り出した。 「これで買い物はバッチリや」  ちょうど通知が来て、彼がそこをタップするとメモアプリが開いた。 「よかったわ」  今日は無事に買い物を済ませることができた。 「それにしても、今日はどうやって物忘れを防いだの?」  俺が訪ねると、彼は自慢げにポケットから何かを取り出した。 「どう? この画期的なアイデア!」  それは、「スマホを忘れない」と書かれた、手書きのメモだった。

モバイルラバー

 SNSで見かけたオシャレなカフェ。  さっそく訪れてみたところ、どうやらカップル割をしているようだった。    恋人?  いない。  なので、モバイルラバーを使うことにした。  スイッチを押すと、道を歩いていた一人の男性がこちらへ向かってくる。  モバイルラバーの契約者だろう。   「初めまして。お願いします」   「はい、お願いします。ああ、このお店ですか」   「来たことあるんですか?」   「ええ。割と通る場所なので」    私は初対面の男性を伴って店に入る。  カップル割を注文し、無事に割安で食事を終えた。   「ありがとうございました」   「ありがとうございました」    店を出れば、私たちは他人。  お互いの名前も知らず、当然連絡先も交換せず、解散する。    そんな距離感が心地よい。    最近、町中にカップル割を展開している店が増えた。  海外を見習って、男女で外食するのを当然とし、交際する男女を増やそうとする政府の政策だ。  それに対し、月額料金を払えばいつでも恋人をレンタルできるサービスを企業が出したのは、完全に政府にとって予想外だっただろう。  月額料金を払ってなお、カップル割で得する方が大きいのだから、そりゃあ使われてしまう。   「さて、帰るか」    帰路についた私のスマートウォッチに通知が届く。  どうやら近くで、モバイルラバーを利用した人がいるらしい。  用途は、買い物か。  たぶん、カップル御用達のきらきらデパートで何か買いたいのだろう。    腹ごなしのウォーキングがてら、丁度いいかもしれない。    私は通知に『受注』で応答し、目的地へと向かった。

21.自由研究

 ある女が寝たきりの義母を殺害したとして逮捕された。  見えない箇所につけられた痣から虐待があったと見られ、自然死を装った手口も明るみとなった。  犯行の素振りを見せなかった狡猾な女。  暴いたのは息子が課題としてつけていた『おばあちゃんのかんさつ日記』であった。 (#文披31題 2024 お題7/21分)

20.摩天楼

 青いお空は紙鑢。  天へと昇る無数の荒を。  ざりざりざりと削ってく。  青いお空は高級木槌。  街から伸びる営みの杭を。  かつんかつんと打っていく。  青いお空は剪定鋏。  鬱陶しい人工の枝葉を。  ばちんばちんと切っていく。  削って打って切り揃え。  境界線の出来上がり。 (#文披31題 2024 お題7/20分)

海の歌が響くとき

### 第3章: 呼び声 リーナは自分の中にある感覚を確かめるために、毎晩のように海辺に通うようになった。 昼間は学校や家庭での生活を送りながらも、夜になると彼女の心は海に引き寄せられていた。 海辺に立つと、彼女の心は静かに落ち着き、まるで故郷に帰ったかのような安心感を覚えた。 ある夜、リーナはいつもよりもさらに海に近づいて座り込み、波の音に耳を澄ませていた。 静かな夜空の下、彼女は心の中で聞こえるメロディを口ずさみ始めた。 そのメロディは幼い頃からずっと彼女の中にあり、決して忘れることのない懐かしい旋律だった。 「ラララ…」 彼女が歌い始めると、遠くの波間から同じメロディが返ってくるような気がした。 リーナは目を閉じて、もっと集中しようとした。 彼女の歌声に合わせるように、海からの返答が次第に大きく、はっきりと聞こえてくる。 「ラララ…」 リーナは驚きと喜びが入り混じった気持ちで立ち上がり、海の方をじっと見つめた。 暗い波の中に何かがいるのではないかと目を凝らしたが、何も見えない。 ただ、心の中に響くその声が確かに存在していることを感じていた。 「これは…誰の声なの?」 リーナは小さくつぶやいた。 次の夜も、リーナは同じ場所に行き、再び歌を歌った。 彼女の歌声に応えるように、遠くの波間から同じメロディが聞こえてくる。 それはまるで、誰かが彼女を呼び戻そうとしているかのようだった。 リーナはその声が両親のものであり、自分を迎えに来ているのだと感じ始めた。 「どうして、こんなにも懐かしい気持ちになるのだろう…」 リーナは心の中で思った。 彼女は学校の友達にも、この不思議な体験について話してみた。 しかし、友達は半信半疑で、リーナの話を真剣に受け取ってくれる人はいなかった。 「リーナ、そんな話をするのはやめたほうがいいよ。誰も信じてくれないし、変な目で見られるだけだよ。」 友達の一人が言った。 「でも、本当に聞こえるんだ。信じてほしい。」 リーナは必死に訴えたが、理解してもらうのは難しかった。 そんな中、リーナの心は次第に孤独を感じるようになった。 しかし、それでも彼女は毎晩海辺に通い続けた。 海の声が彼女にとって唯一の拠り所だったのだ。 ある夜、リーナは特に強くその呼び声を感じた。 まるで自分が海に引き寄せられているかのような感覚だった。 彼女は意を決して、もっと近くに行くことにした。 波打ち際まで歩いて行き、冷たい水に足を浸した。 すると、その声はますますはっきりと聞こえてきた。 「リーナ…リーナ…」 まるで名前を呼ばれているようだった。 「私はここにいるよ。あなたは誰なの?」 リーナは声に向かって叫んだ。 その瞬間、波が大きく揺れ、まるで何かが現れるかのように見えた。 リーナは驚いて後ずさりしたが、その場から動くことはできなかった。 彼女の心はその呼び声に完全に引き寄せられていたのだ。 「リーナ、戻っておいで…」 その声はますます強く、そして優しく響いた。 リーナは目を閉じて、その声に全身を委ねた。 彼女の心は安らぎと共に、深い懐かしさで満たされていった。 彼女はその声の主が、自分の両親であり、自分を呼び戻そうとしていることを確信した。 「私の両親…私はあなたたちに会いたい。」 リーナは心の中で強く願った。 その夜、リーナは海辺で眠りについた。 波の音に包まれながら、彼女は夢の中で両親と再会することを望んだ。 彼女の心は穏やかで、そして満たされていた。 翌朝、リーナは目を覚まし、海辺に横たわっていた自分に気づいた。 夜の出来事が夢だったのか現実だったのか、彼女には分からなかった。 しかし、彼女の心には確かに何かが変わった感覚があった。 リーナはその感覚を大切にしながら、日々を過ごしていくことを決意した。 彼女は毎晩、海辺に通い続けた。 両親の声が聞こえる限り、彼女は自分の出自を知るための旅を続けるつもりだった。 海の呼び声は、彼女の心の中で永遠に響き続けた。

I got a wreck have a driver even a required a BJ be right down

I traveled very kind of everywhere when I have already heard about that very good guy but we were doing to be there baby down the weather will be dad’s death travel to the day a debit OK baby I will be dead without having a bit of a dead battery will be dead and Kappa Kappa Kappa Kappa Delta be dead by bit of a dab it with a bit of a day today and a cup of Greek bakery wherever Deborah very busy but would it would actually be – Bradberry but that’s what we did with that I don’t have a good day we will be there without available that day but I have never ever ever ever ever ever ever ever never ever be that way will be there to visit my dad every day that we will be there with the Devil riveted Deborah give me Double Vie that’ll be there for a bit of a dad of the death of Deborah bit of a Denteley Edward Cabrera data you have 11 AM and I love you baby but that will be that we will be there drive baby to be dead with a dead baby they’re rude out of a ditch and you have a good weather Lupe battery to be dead right by the way David out a bit of a dead we will be there with a debit of a dead baby bird that had a cup of garbage every bit of that work every bit of it if it ever visit River dental baby but out of a baby that way will be dead but will get there today will be the driver and out every bit that I had and now they went with ditch Jezebel by debit debit debit debit will be provided by Baudette I don’t have a car by Deborah Baudette Arabi dental bill by debit debit debit debit debit debit debit debit debit debit debit OK baby David or David everybody with everybody but I did with the dental bill with it How do I add away with it that way but it will be there today but a bit of a WWWW www.ridgeway dental will be the judge how do you have a car by WK better every day without really giving it to her but it did and Kapakapa Deborah capability but everybody but it was really busy but OK baby did David ever ever date a baby bitch bro

夢の國

 まったく、嫌な夢を見るものだ。  昔住んでいた田舎町は、人の出入りのない廃墟がいくつも乱立する限界集落だった。  そこでは私以外の住民は皆高齢で、農業や養殖を細々と手掛けながらなんとか食い扶持を得ている状態で、子どもながらに死臭の濃い場所だと思っていた。  ある時、数ある廃墟の中のひとつに訪れた事があった。  たしかその時は集落の外からミドリ婆さんのお孫さんが来ていたとかで、幼子二人は恐れ知らずにそこへ行ったのだ。  草木に覆われたその家は、どちらかと言えば社のような雰囲気を纏って、森に一体化するように崩れかかった境内は、その奥に小さな祠を潜ませていた。  私とミドリ婆さんの孫はそこへ突撃。入口の門らしき二本の朽ちた柱の間を抜けて、境内へと侵入。抜けそうな床を避け、落ちそうな天井に注意し、奥へ奥へと足を進めていた。  ふと、こんなに長かっただろうかと振り向くと、あの子がいない。  呼びかけて、そこら中を探し回ったけれど、どこにもいない。  途端に恐ろしくなって、私は必死に境内を駆けた。薄暗い足元を気にすることもなく、ささくれに引っかかる服を千切りながら外へ出た。  入る前と変わらない景色に、ただあの子だけがいない。  そら恐ろしい状況に私の心はポッキリと折れ、あの子を探すことなく逃げ出した。  それ以降、あの子に出会うことはなくなったし、不思議とあの子のことを誰に話しても、皆憶えていないと口を揃えた。  ミドリ婆さんでさえ、そんな子はいないと断言してのけた。  なにかおかしい。いつしか、私は住民の皆に囲まれて、魔女裁判にでも遭っているような強烈な違和感に襲われた。  四方から伸びる腕が私の体に触れる寸前、ようやくそこで目が覚めた。  冷や汗が背中を濡らしている。  ようやく解放された快感と共に体を起こすと、ふと自分の体に違和感を覚えた。  やたらと軽く、数十年の時間を生きたにしては幼い体つき。けれど意のままに動く肢体は間違いなく己の物であり、神経の一つに至るまで染み渡る感覚はこれが自身であることを本能で理解していた。  ふと見回すと、どこか見覚えのある景色だ。  今にも落ちそうな天井に、抜けそうな床。ひっそりと佇む祠。  隣には、あの子が眠っていた。  おかしい。私は夢から醒めた筈だ。あの子と出会ったのは何十年も前の話で、あれから上京して家庭も持って孫も出来た……筈だ。  足元がぐらりと大きく揺れるような動揺に吐き気がする。  私という存在は、私の生きる現実は、いったいどっちなんだ……?

他作人生ゲーム

「人生にも選択肢があればいいんだ」  机に突っ伏していたセナは覚醒し、思わずスマホを投げだした。周りでゲーム談議に花を咲かせていた他の部員たちがぎょっとしたように振り返ったが、セナが一人で画用紙に向かい始めたのを見ていつも通りそっとして様子をうかがうことに決め込んだ。  つまりこういうことだ。自分が相手にうまく想いを伝えられないのは、ゲームのように選択肢が提示されないからだ。画用紙に「なに?」と書いて丸で囲む。これが相手の発言だとしよう。囲んだ丸から線を引っ張る。これに対してこっちが返事をすればいいわけだ。でもなんて? そこで手が止まる。言葉が詰まって喉からざらついたしわがれた音しか出なくなるのと同じように。  椅子から飛び降りると、どっかに飛んでいっていたスマホを拾い、ゲームのアプリを開く。恋愛のプロたちは、こんな時どんな台詞を吐いていたっけ。ゲームのキャラクターたちの台詞を画用紙に書き出していく。 「全然足りない。発想が貧困」  紫色のマジックが伸びてきて、丸からぎゅっと線が引っ張られて勝手に文字が足される。 「これはまだマインドマップだし」 「にしても、もっと色んな台詞がでるでしょう。そんな糞ゲーじゃなしに、こっちのがいいって」  緑色のマジックも加わって、画用紙がカラフルな線に覆われていく。 「書いてて思ったんだけど、相手が何言ったかの対策だけじゃなくて、誘導がいるよね」 「誘導?」 「だってセナ、最終的には今日伝えるわけじゃん」  急に顔に血が上り、カッと熱くなる。 「なんかそんな、それは急じゃない? え、今日!?」 「いやいや、目的を達成するためのプランを立ててるわけで」 「プランBは無い」 「先言うな。とりあえず、思いを伝えるってのが着地点で、そこまでのフローを」  返事をする前に、新しい紙にどんどん台詞のパターンが組みあげられていく。 「はいセナー、ちょっと顔上げてー」  優しく額を押されて、椅子の背もたれに押し付けられた。柔らかな手つきで、手入れしていないくせ毛の髪がクシで梳かれていく。 「コンディショナー使ってるとは信じがたい髪質」 「痛たた……」 「朝にもうちょっと何とかできないの?」 「顔は洗ってる」  ほっぺたをつねられる。 「リップ、これ使いなよ」 「ほむほむ……良い匂い」 「でしょ。ねぇ、右流しでいいと思う?」 「んー良さそう。このピン貸しとくね」  前から覗き込まれ、自分では見えないところで勝手にデコが見えるような容姿へと整えられていく。向こうの黒板には校舎の平面図が描き上がっていた。 「最終作戦実行地点はどこがいい?」 「え、あーんー、えっと、選ぶ基準は?」 「ビクトリーポイントに到達しやすい場所かな」 「人気のないほうがいいのかな」 「じゃあ家庭科室の裏手の階段踊り場にしよう」  人通りが少ない階段に、ウォーゲームのアイテムから流用されたデルタ印の旗(磁石付き)が貼られる。 「ここに対象を誘導する。対象は今アルファ地点で部活中」 「体育館って言え」 「ブラボー地点の教室に荷物が置きっぱなのは確認済み。セナ、そこからの想定移動経路は?」 「水飲み場でよく見かけるけど……」 「じゃあ、チャーリーには使用禁止の紙を張ろう」 「必然、その先の階段で降りて、二階の水飲み場に向かうね」 「その先はもうデルタだ。セナ、偶然を装った感じで挨拶できる?」 「あ、ど、ども……え、本当に今日やんの?」  部室中の呆れたような視線がセナに突き刺さってくる。そして再び周りは勝手に動き始めた。どこかから駆け戻ってきた部員に何かを押し付けられる。 「はい、これ持って」 「え、どこからこんな花を?」 「生物の菜園」 「眼鏡にブチぎれられるよ」 「借りるだけ。案外心広いよ」  ドンと背中を押されて部室から追い出される。もう部活の終わる時間? 全然気持ちの整理がついていなかった。なんでこんなことになっているんだろう。 「あと六分でこのフローを頭に叩き込んで。最悪見てもいいから」 「そんなん最悪じゃん」 「だから最悪って言ったでしょ」  ほつれた髪を丁寧に耳の後ろにかけなおされる。手汗にまみれた掌に、ハンドタオルが渡される。 「大丈夫だよ」 「何を根拠に」 「セナだからだよ」  額に額が押し付けられる温かい感覚。 『対象がブラボーに到着』 「ほれ、行ってこーい」  振り返ると、廊下のそこかしこから覗く顔が手を振っていた。  階段を降りてきたカヤは、驚いて尋ねた。 「どうかした?」  セナは立ちすくんで泣きそぼっていた。まるで、自分を包み込む温かさに初めて気づいた子犬のように。 (お題:デルタ)

落下模様

 洗濯物を干していたら、上の階からなにか落ちていった。  洗濯物だろうか。  下を見たが、何が落ちたかわからなかった。  洗濯物を取り込んでいたら、また上の階からなにか落ちていった。  見間違いじゃないよな。  下を見たが、やはりわからなかった。  煙草を吸いながら夜風に当たっていると、またなにか落ちた。  今度ははっきり見えた。人の顔だ。  下を見る。暗闇でははっきり見えない。  直接見に行くことにした。  1階に着いて、自分のいた階を見上げる。  ドンっ  自分の上になにか落ちてきた。  だが、それは気のせいでなんともなっていなかった。  地面を見ても新しく落ちた気配はない。  この使われていないアパートは随分前から人の立ち入りがない。  辺鄙な場所にあるせいで通行人もいない。  不法に住まうにはちょうどよかった。  しかし、先住民には困ったものだ。  地面と同化し始めてるとはいえ、毎日何度も飛び降りられたら心臓に悪い。  どうしたら消えてくれるものか。  天気は、落下模様を続けている。

ねこが書く

あまなすのヤツ アイデアが出てこないとか言って ふて寝してるよ かわりにあたしが投稿しといてやるかな しかし ねこには このキーボードとかいうのは 扱いにくいったらないな まったくまったく 扱いにくいから長くは打ってられんな 今日のとこは こんなもんでどうかな これ ちゃんと投稿できてるのかねえ あとのことは あたしは知らんよ

みつけてくれてありがとうございます

こんにちわ こんにちわ こんにちわ おなかがすきました こんにちわ わたしのなまえは おすゑ です こんにちわ こんにちわ ありがとうございます こんにちわ みつけてくれてありがとうございます こんにちわ こんにちわ あなたがみえています こんにちわ ありがとうございます こんにちわ あなたをみています こんにちわ こんにちわ こんにちわ おなかがすきました こんにちわ こんにちわ みつけてくれてありがとうございます こんにちわ おなかがすきました こんにちわ こんにちわ ありがとうございます みつけてくれてありがとうございます あなたがみえています みつけてくれてありがとうございます おなかかすきました みつけてくれてありがとうございます あなたをみています みつけてくれてありがとうございます いただきます

海の歌が響くとき

### 第2章: 記憶の片隅 ある日、リーナは放課後の時間を図書館で過ごしていた。 彼女はいつも通り、海に関する本を手に取り、静かな一角でページをめくり始めた。 海の神秘や生態系について詳しく書かれた本に夢中になっていたが、その日はふと目に留まった一冊の本があった。 古びた表紙に「都市伝説」と書かれたそれは、彼女の興味を強く引きつけた。 「都市伝説…何か面白いことが書いてあるかもしれない。」 そう思いながらリーナは本を開いた。 ページをめくると、そこにはさまざまな神秘的な生き物の話が書かれていた。 山奥の妖精、夜空を飛ぶ龍、そして海のページに差し掛かったとき、リーナは息を呑んだ。 「人魚」と書かれたタイトルが彼女の目に飛び込んできたのだ。 「海で生まれ育った人魚は、人間の世界に送り出されることがある。その人魚は海の記憶を持ち、人間の世界で生きながらも、いつか海に帰りたいという強い願いを抱き続ける…」 その一文がリーナの心に深く刺さった。 なぜなら、その話はまるで自分のことのように感じられたからだ。 リーナは小さい頃から海に対する特別な興味を持ち、不思議な音楽を聞くことができた。 それはまるで、自分が海から呼び寄せられているような感覚だった。 「私も…人魚なのかもしれない。」 リーナはつぶやいた。 その思いは次第に確信へと変わっていった。 その晩、リーナは自分の部屋で寝転がりながら、古びたアルバムを開いていた。 育ての親と一緒に写った幼少期の写真の中に、彼女の記憶にはない写真があった。 海辺で撮られたその写真には、幼いリーナが波打ち際で微笑んでいる姿が映っていた。 その写真を見つめながら、彼女は何か大切なものを忘れている気がしてならなかった。 「私は本当にこの家の子供なんだろうか…」 リーナの心には疑問が次第に大きくなっていった。 翌日、リーナは再び図書館に向かった。 今度はもっと詳しく人魚について調べるためだった。 都市伝説の本以外にも、さまざまな神話や伝説に関する本を手に取った。 ページをめくるたびに、リーナの中で新たな発見が生まれた。 人魚の姿やその能力、そして人間と人魚の関わりについての記述が次々と現れた。 「人魚は、海の子供たちを守る存在として知られている。彼らは美しい歌声で海の生き物たちを癒し、その力で海の環境を保っている。」 その一文を読んだとき、リーナの心は一瞬にして過去の記憶に引き戻された。 幼い頃、彼女はよく海辺で歌っていた。 その歌声は海の波と共鳴し、不思議な安らぎを感じさせてくれた。 リーナはその歌を今でも覚えており、時折海辺で口ずさむことがあった。 「私の歌も、もしかしたら海に影響を与えているのかもしれない。」 リーナはそう思い始めた。 その晩、リーナは育ての親に海について尋ねてみることにした。 夕食の後、彼女は勇気を振り絞って話し始めた。 「お母さん、私の本当の家族について知っていることはある?」 その質問に母親は少し驚いた様子だったが、優しく微笑みながら答えた。 「リーナ、あなたは私たちの大切な娘よ。だけど、海で生まれ育ったという話を聞いたことがあるわ。あなたが赤ちゃんの頃、ある日突然海辺で見つかったの。私たちはあなたを見つけて、育てることに決めたの。」 その言葉を聞いた瞬間、リーナの中で何かがはじけたようだった。 自分が本当に海から来たのだという確信が強まった。 「ありがとう、お母さん。」 リーナはそう言って、涙を浮かべながら母親を抱きしめた。 その晩、リーナはベッドの中で目を閉じながら、自分の出自について考え続けた。 自分が人魚である可能性、その歌が海に影響を与えているかもしれないという思いは、彼女の心に深く刻まれていった。

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