悩み事

「はあ」  ぼくのため息に、横を歩くきみが反応する。 「なになに、悩み事?」 「なんでもないよ」  本当は悩み事がある。ぼくの隣を歩くきみのせいだ。  きみは笑いながらぼくの手を取って、手のひらにふうっと優しく息を吹きかけてきた。突然手を握られて、ぼくの心臓が跳ね上がる。 「なんだよ、急に」 「おまじない。悩み事が飛んでいきますようにーって」  へへ、と彼女は照れくさそうに笑った。  ああ、もう。ぼくの悩みが尽きることはない。  だってぼくの悩みは、きみが可愛すぎることなんだから。

【超短編小説】「今のあの子」

 老女は息子の墓参りに行った。息子が好きだった饅頭を持って行った。  墓地に着き木桶に水をくんで息子の墓石の前に立った。  墓石に蝿が一匹とまっていた。  饅頭を供え、墓石に水をかけようとした時、老女は違和感を覚えた。  墓石が濡れている。  誰か墓参りに来たのかしら。そう思って墓石をよく見ると、それは水ではなくねばねばした粘液で、そしてそれは墓石自体から染み出ていた。  はっとしてさっきの蝿を見ると、蝿は粘液の中でもがいていて、しかも徐々に体が溶けていた。  老女は慌てて逃げ出した。  あの子に何があったのか。  震えながら眠った。  数日後、気になって老女は再び墓地を訪れた。墓前に供えた饅頭が腐っていて、それに集まった蝿が全て粘液の中で溶けていた。  これが今のあの子なら受け入れよう。  老女は腐った饅頭を片付けずに、墓石に手を合わせた。

【超短編小説】「証明書」

 その男は人間の屑だった。そのことを示す証明書も役所から交付されていた。その証明書を男はいつも大切に持ち歩いていた。  男は人間の屑なりに毎日それに相応しい生活を送っていた。  男はある日動物園を訪れた。人間の屑にも息抜きは必要である。  色々な動物を見て回った。  象がいた。象は男を見て、鼻から水を噴射して男を追い払った。  猿の親子がいた。興味深そうに男を見つめる子猿の目を、母猿は手でそっと隠した。  男は久しぶりに死にたくなった。  男は園内の壁に 《ライオンの餌になってくれる方募集》  の貼り紙を見つけた。  これだ。  男は事務所を訪れた。 「餌募集の貼り紙を見たんですが」 「身分証明書はありますか?」  男は人間の屑の証明書を見せた。 「ライオンが腹壊すじゃねえか」  男は追い出された。  男は海に身投げしようと歩き出したが、 「海が汚れてしまうかな」  と思った。

【超短編小説】「スペース」

 ある朝、朝刊を広げたら、新聞社からのお知らせが挟まっていた。 《お悔やみ欄が見やすくなりました》  そう書かれていた。お悔やみ欄のページを開くと、確かにお悔やみ欄だけ文字が大きくインクも濃くなっていた。  数か月後、朝刊を広げたら、新聞社からのお知らせが挟まっていた。 《お悔やみ欄を増やしました》  そう書かれていた。お悔やみ欄のページを開くと、確かに紙面の三分の二以上がお悔やみ欄で占められていた。  数か月後、朝刊を広げたら、新聞社からのお知らせが挟まっていた。 《来月から弊紙はお悔やみ欄だけになります》  翌月に届いた朝刊を広げると、確かに全てのページがお悔やみ欄だった。 「人って毎日たくさん死んでるんだなあ」  それを見てそう思ったので、その思いを新聞社に投書した。もちろん、その投書が載るスペースはなかった。

【超短編小説】「応援」

 無職になって三か月の夫がある夜、 「俺地球滅ぼしたい」  と言った。 「いいんじゃない」  と答えた。  本当はバイトでもしてもらいたいものだが、今夫は何に対しても無気力になっているので、自分から何かやりたいと言い出したのはいいことだと思った。  夫は翌日から図書館に出かけ、地球の滅ぼし方を調べるようになった。  私はスーパーで働きながら、 「夫が地球を滅ぼしたらこの店もなくなるんだな」  と考えるようになった。  ある夜、夫が栄養ドリンクを手に家に帰ってきた。そして、 「やっと滅ぼし方がわかったよ」  と嬉しそうに言った。 「よかったね」 「ありがとう、君の応援のお陰だ」 「いつ地球滅ぼすの」 「明日の朝だけど君はどうする」 「私は地球に残る」 「そうか、残念だ」  私たちは最後の抱擁をした。  翌朝、目覚めると夫はいなかった。やがて遠くから地響きが伝わってきた。

恐怖のトラバサミ

 部活動を終え校門を出ると、母が車で待っていた。 「あれ、お母さん、どうしたの。迎えに来てくれたの?」 「大変なことが起きたの。説明はあと。いいから早く乗りなさい」  母に急かされ、私は慌てて車に乗った。車はすぐに発進したが、家とは反対方向だった。 「お母さん、どこへ行くの?」 「病院よ。それよりあなた、トラバサミって知ってる?」 「えっ? トラバサミ……? なにそれ、知らない」  スマホを取り出し、ネットで調べたところ、トラバサミというのは動物を捕獲する狩猟用の罠だ。サメの歯に似た形状をしていて、獲物の足を鋭く挟み込む。実際の仕様をみて、私はゾッとしてしまった。 「この罠がどうかしたの?」 「おじいちゃんが、庭にトラバサミを仕掛けたの」 「えっ! それじゃあまさか、ラッキーがその罠に──⁈」  私は血の気が引いた。ラッキーは目に入れても痛くない、私が可愛がってる雑種犬だ。 「いったいなに考えてんのよ、おじいちゃんは!」  怒りがこみ上げ、またラッキーを思うと、心配で胸が押し潰されそうになった。骨折してるか最悪の場合は足を切断だ。可哀想にきっと重傷に違いない。  そわそわと落ち着かず、嫌な予感を抱えたまま病院に到着した。車から下りて、私は思わず「あっ!」と声を上げた。  ちょうどおじいちゃんが、松葉杖をついて出てきた。

消えたメッセージ

では、背筋が少し寒くなるような話をお聞かせします。 「消えたメッセージ」 ある夜、大学生の美咲はレポートの締め切りに追われ、遅くまでパソコンに向かっていた。友人とのチャットが唯一の気晴らしで、彼女はSNSでやり取りを続けながら作業をしていた。 午前1時を過ぎたころ、知らないアカウントからメッセージが届いた。 「こんばんは、少しお話ししませんか?」 アイコンは真っ黒で、名前は「Unknown」。スパムだと思った美咲は無視しようとしたが、なぜか興味をそそられ、返信してしまった。 「誰?」 返事はすぐに来た。 「ずっと見てたよ。」 それを見た瞬間、背中に冷たい汗が流れた。「ずっと見てた」という言葉がどうにも気味が悪い。美咲は無視を決め込み、チャットを閉じて作業に戻った。だが、それから数分も経たないうちに、画面が一瞬暗くなり、またメッセージが届いた。 「なぜ無視するの?」 彼女はそのアカウントをブロックしようとしたが、なぜかブロックボタンが反応しない。それどころか、相手のメッセージが止まらなくなった。 「ずっと見てた。」 「今も見てる。」 「あなたの背後から。」 その言葉に心臓が跳ね上がった。美咲は恐る恐る後ろを振り向いた。しかし、誰もいない。ただ暗い部屋が広がるだけだった。 「気のせいだ、気のせいだ…」そう自分に言い聞かせながら、再び画面に向き直ると、今度はメッセージではなく、美咲のパソコンのカメラが勝手に起動しているのに気づいた。そして、画面には…彼女自身の背後に、白い影のようなものが映っていた。 驚いて振り返るも、やはり何もいない。しかし、カメラには確かに影が映り続けている。そしてその影は、徐々に彼女に近づいてきた。 慌ててパソコンを閉じようとした瞬間、画面に最後のメッセージが表示された。 「もう逃げられないよ。」 その夜、美咲は姿を消した。彼女の部屋には誰もおらず、パソコンだけが開かれた状態で机の上に残されていた。そして奇妙なことに、彼女が使っていたSNSのアカウントからは、誰も知らないメッセージが友人たちに送られ続けているという。

あたしの愛を受け取って

今日という日を心待ちにしていたの だって今日は年に一度の大勝負 バレンタインデーなんだから 愛を伝える日 愛が実る日 恋人になる日 お願いしますの気持ちを込めて 贈り物を渡すの 義理? 本命? そんなの受け取ったらわかるでしょ あたしは本命にしか贈らないんだから 好き 好き あたしの愛を受け取って でも でも 恥ずかしいから黙っていて あたしだけに愛を囁いて あたしだけに聞こえるように 好きなの あなたが好きなの 世界がひっくり返ってもこの愛は変わらない 世界が敵になったとしても あたしはあなたの味方だよ だからあなたも あたしのことを好きになって あなたが愛を叫ぶのは あたしだけがいいの 念願叶って恋人になったんだけど あなたは今日が何の日なのか覚えてる? お付き合い記念日だよ 愛を伝えた日 愛が実った日 恋人になった日 これからもずっと一緒にいたい それがあたしの希望 嘘? 適当? そんなの聴いていたらわかるでしょ あたしは本命にしか言わないんだから 好き 好き あたしの愛に溺れて ねえ ねえ あなたも愛を贈ってよ あたしだけに愛を囁いて あたしだけに聞こえるように 愛してる あなたを愛してる あなたを愛する心は誰より深いし重いんだ 世界が敵になったとしても あたしはあなたの味方だよ だからあたしは あなたのことを想ってるの あたしが愛を叫ぶのは あなたしかいないの あなたは言った 世界でいちばん愛してる でもそれが嘘なのは知ってる あなたの心にいるのは 昔に別れた初恋の人 あたしが塗り替えるの あなたの初恋を あなたの純愛を 好きなの あなたが好きなの 世界がひっくり返ってもこの愛は変わらない 世界が敵になったとしても あたしはあなたの味方だよ だからあなたも あたしのことを好きになって あなたが愛を叫ぶのは あたしだけがいいの

【超短編小説】「うっかりもの」

 夕方の商店街を、おばさんが自転車で走っている。  自転車の前かごには買い物袋が入っていて、その買い物袋の中にはネギとニンジンと豚肉と拳銃が入っている。  おばさんは自宅のアパートに着く。  買い物袋を前かごから取り出し、自分の部屋に入る。そして夕飯の支度に取り掛かる。  窓の外は夕日で怪しい色に染まっていく。  おばさんはネギを切っている時、ふと拳銃のことを思い出す。  おばさんは拳銃を確かめる。  弾丸が入っていない。 「いけない、いけない」  おばさんは急いで自転車で商店街に戻る。  そして拳銃を買った店で拳銃を見せ、それに合う弾丸を買う。 「これ忘れちゃダメよね」  店員と笑い合う。  そして自宅に戻ると、部屋の玄関の前に黒い人影が立っている。 「危ないところだったわあ」  おばさんは安堵して、その人影に銃口を向けて、引き金を引く。

裏垢

2015年、「本当田舎ってつまんない東京行きたい」と言いながら 裏垢に“来世は東京生まれ東京育ちキャバ嬢やって整形して遊んで 毎日暮らしてお酒に溺れて幸せな人生になりたい” 「投稿っと。はぁこんなの投稿してイタイな自分」こんなことを書きながら友達と どうでもいい話をするのが好きだった。 2025年、頭を叩かれるような痛さで目覚めた。ケータイを見ると夜の7時半だった。 友達のメッセージを見る“ゆうも同窓会来ればよかったのに”なんとなく昔のことを思い出した。久しぶりに前使っていたアカウントを見るとあの時の投稿が出てきた。 隣の彼氏でもない男が「ゆり、起きてたの?」だった。 私の本名も知らない誰かと過ごす毎日。 たとえお金があっても整形ができても欲しいものが手に入っても空い。 東京生まれ東京育ち以外は叶ってるのに。 あの時のキラキラ輝いていた私には戻れない。 「満たされない」

セルフレジ

『店内全品買取可能』  やたらと目立つエクスクラメーションマーク二つが添えられた白い暖簾をくぐれば、目に痛い色彩の並んだ棚がお互いを押しあっている。愛用のレンタルビデオショップに入れば、空気は仄かに甘い匂いを纏う。 「へぇ、確かに品揃え良いじゃん」  いつもは一人で来ているのだが、今日はつい先程知り合ったばかりの女性を連れてきた。私同様アニメオタクを自称している彼女はアニメのほかにも実写映画やドラマなどを隔てなく嗜んでいるらしく、私からすれば何を自称してもおかしくないフレキシブルオタクであった。  配置を考えられていない棚の多くはまるで迷宮のように入り組んで、私達は、とくに私は見知った店内であるのにも関わらず軽く迷いながら商品を漁った。お互いに気になるタイトルを商品かごに入れ終えると、彼女を連れて店の奥へ足を進める。 「ねぇ、レジならあっちだったけど」  不可解な行動に疑問符付きで声を上げる彼女は私を心なしか馬鹿にしているようだと、その表情から感じた。「この奥にセルフレジがあるんだよ」そう告げると、へぇそうなんだ、なんて漏らして大人しくあとについてきた。  また少し迷いつつ二度目の、今度は赤い暖簾をくぐればそこには確かに精算機が設置されている。人の作業を待つ事が大嫌いな私にとっては、とても助かる機械の代表であった。近年様々なところで見かけるようになり、そのおかげで少し遠いスーパーまで足を伸ばす事になったのは、足し引きプラスだと思いたい。  がたん、と台ヘカゴを置き画面の購入をタップしてから、妖しく光るバーコードリーダーで彼女から手渡される商品を次々読み取っていく。ピッ、ピッ、ピピッ、ピッ。そう単調な機械音が響き終わると、精算画面をのぞき金額を確認した。一括で払おうと財布を開きながら一覧を見遣ると、札を取り出そうとしていた指が固まる。 「……ねぇ、なんでアタシの名前があるの?」  微かに震える声で漏らす彼女を横目に、一覧には購入する商品の名前に連なってハッキリと彼女の名前がある。明らかな異常事態。思考は一瞬にして混乱に陥り、彼女もまたパニックになって私の腕を強く握りしめていた。言葉はない。それだけに増幅する恐怖は彼女の手汗をより濃く、私の発汗量をも増加させ離せない札にじっとりと汗じみを作った。  商品キャンセルなんて機転を思い浮かぼう筈もなく、唐突に背後からガチャリと音がした。  二人して恐ろしい速度で振り返り、同じところへ目線をやる。それは従業員専用と書かれた扉の奥にある真っ暗な黒だった。出張った頭らしき影はずぅんと伸びて彼女も私の背も飛びこえ二メートル半はある天井付近まで近づくと止まり、ほぼ直上から私達を見下ろした。二人の間を交互に行き来してから、小さくため息を吐いて口と思しき一文字をかぱっと開く。 「とりあえず、商品キャンセルはします。あと、お客さん」  くるり。丸々と光る黒の眼が私を見据えた。 「気をつけてくださいね」 「なんでそんな……」  低いのと高いのが混ざった声で従業員らしき何かは言う。人かどうかさえ懐疑的だった私たちにとって言葉が通じることは密かな安心を生んでいた。けれど、彼だか彼女だかの一言にギクリと不安が過ぎる。  駅前のナンパで偶然知り合った彼女をこれから反社会組織に売り渡そうとしていたことが、見透かされてしまったみたいで恐ろしかったのだ。  それから従業員はパネルをポチポチ操作して彼女の名前を簡単に消してしまうと、また扉の中へ体をぐにゃりと折り曲げて器用に消えていった。私は未だにしがみつく彼女を落ち着かせ、湿った札で支払って店を出る。  甘かった空気が一新されてようやく思考を取り戻したらしい彼女が乾いた笑いを空に飛ばした。私も呼吸を取り戻し、彼女へ微笑んだ。 「じゃあ、次はどこに行こうか?」  快晴の下、朗らかな笑みで私の手を取る彼女を連れて、交渉相手と落ち合う手筈の人気が無い目的地までゆっくり、ゆっくりと足を進める。

眠気覚まし

 眠い。とにかく眠い。昨日の夜遅くまでゲームをしていたせいだろう。  ぼくが大きな欠伸をすると、隣を歩いていたきみがくすりと笑った。 「先輩、眠いんですか?」 「ああ、うん、そうだね」 「あたし、すごい眠気覚まし知ってますよ」 「へえ。どんなの?」 「やってあげますよ。ちょっと屈んでください」  言われた通りに少しだけ屈む。  きみはぼくの頬に口づけた。やわらかい感触を確かに感じた。  ぼくが驚いてきみのほうを見ると、きみは恥ずかしそうに笑った。 「ほら、眠気は覚めたでしょ?」  抜群の効果だった。多少の恥ずかしさと引き換えに、だけれど。  ぼくたちは先程よりも少し近づいて、学校への道を歩いていった。

趣味が惰性になれば終わり

 子供の頃は、家にある紙へ絵を描き続けていた。  親に買ってもらったスケッチブックはすぐに使い切って、裏が真っ白なチラシとレシートを回収して、絵を描き続けた。  レシートは、小さくて書きにくかったので、セロハンテープを貼って大きくしたのを覚えている。   「この子は将来、絵を描く仕事に就くのかもねえ」    おばあちゃんの一言が、いやに耳に残っている。  もしかしたら、この一言が私の未来を決めたのかもしれない。    宿題を終えたら、絵を描く。  そんな学校生活。  休み時間、友達がおしゃべりに勤しむ中、私は絵を描くことに勤しんだ。  嬉しいことに、私の書いた絵は時々賞ももらえた。  毎回金賞、なんて天才みたいなことはできなかったけど、上手く描けたと思った絵が評価されていたのは嬉しかった。  今思えば、上手くいかなかった絵が評価されなかったからこそ、私は絵を描く手を止めずに済んだのかもしれない。    イラストレーターとして仕事を受け始め、私にマネージャーのような人もついた。   「有名になるには、作品をできるだけ人の目に触れさせた方がいいですよ! 簡単なイラストでいいので、SNSに毎日イラストを投稿しましょう!」    マネージャーの言うことならと、私は従った。    毎日投稿の効果はあったようで、私の投稿への反応は増えていき、私のフォロワーも増えていった。  私は毎日、絵を描く。  描いて、描いて、描き続ける。   「あれ、今日描いたっけ?」    時々、忘れそうになる。  なので、朝起きて、顔を洗って歯を磨くように、習慣の中に取り入れた。    今日も私は、手を動かす。   「あれ、今、何を描いてたんだっけ」    気づけば私は、絵を描くことに何も感じなくなっていった。  まるで、大量生産品の一歯車。  手を動かすだけの機械。  子供時代よりも絵は上手くなり、絵を描く道具も良くなったのに、絵を描く楽しみだけが体からすっぽり抜けたような気分だった。    私は、絵を描く手を止める。   「なんで、絵を描いてたんだっけ」    昔、おばあちゃんに言われた言葉を思い出そうとするも、結局何も浮かんでこなかった。

I had to break a battery had to break up my dad but I have it in my dad wherever down

Edge of Roca bar of Hattiesburg MS Deborah gonna be dead baby bird with a better recover very busy blah baby Debra will be there gonna be a bad idea but will be dead battery dead at the back of the cabinet where the debit debit about the debris everywhere but I broke a bit of a Deborah Deborah Bailey by debit that way we did have a go to covet battery down every day without a bed of recover better with Debbie will be dead really dead forever that I have a back up look up every time every day baby that’s why everybody throwing a bit of a dead rabbit in with the AAA PJ with Edward Edward Edward that I have a barracuda capybara www.able to visit with dad for a baby that way will be that happy back recovery brother David every day through the day and very bitter bitter bitter bitter baby that’s rude about that have a bag of Barack Obama debit of a date with Edward Edward Edward Edward Edward Edward Edward Edward Edward that have a back up look up every day but every day Ruby did with Deborah Deborah reboot it Papi back with a cup of butter with everybody with Deborah Deborah Add recommended by WARABEYA Tabaraka Velva dental Big Dipper Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah to be dead will you be at happy Burger Burger Burger Debbie downer of a date with Deborah Deborah better be dead with you David Edward Edward Edward did have a broken battery dead battery dead maybe Debbie Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah date will be that happy birthday blackberry double burger burger burger burger Edge recap very very very very hard to cook every battery has been dead for a cabaret Kavela be there to meet with dad about a birthday present Broadway – I have a Taco Bell cabaret cabaret with dad to back about whether there is a battery to the weather will be down every dead baby deer to come over there Add a rug by the way had to get a battery here today by the way that’s what I would ever date will be the productivity Kamberger bomb

今夜は、夜空に溶かされたい

「…どうしろと」   部屋を暗くし、ベッドへ横になっていた。隣の窓から、冷たい風が入ってきた。カーテンが小さく揺れる。伸び切った前髪も揺れた。  医者によれば、「好きなことを見つけなさい」とのことだ。それは、長く見つけようと努めてきた。だが、未だ見つからない。  すると、カーテンの間から光が差した。反射的に腕を上げる。どうやら、月が来たらしい。ふと、手首の白いbarcodeが、月の光で垣間姿を見せた。  心臓が驚き、呼吸に支障をきたす前に、雑に頭部を掻きむしり、ベッドから離れた。ただ、気を紛らわしたい。そう考えながら、ベッドのすぐ手前にあるベランダに足を運んだ。  外は寒く、身体が震えたのが分かった。月明かりに照らされた葉のない巨人たちが幻想的で、星空も相まって、優しい星のようだった。  寒い方が、気が紛れる。手すりに寄りかかり、頬を刺す風に身を委ねた。  数分そのままでいた。寒さによる、手が痛みを訴えたので、ベランダから出ることにした。しかし、視界の隅に何かがいた。  一匹の鹿が、こちらを見つめていた。恐れているわけでも、警戒しているわけでもない。ただ、こちらを瞑想的に見つめている。ほのかに、寄り添うような瞳をしているような気がした。  しかし束の間、自分が瞬きをした時、鹿はゆっくりとこちらに背を向け、歩き出した。その背中には、こちらからでも見える、大きな白い傷跡が残されている。まるで、月の元へ帰るように去っていった。  その姿は、自分のようだった。  今夜は、夜空に溶かされたい。

スポンジボブオリキャラ紹介

まずは パトリック・スター プロフィール 性別:男 主人公、ある時仕事を探すために、隣町に引っ越すことにした。そんなある日カーニーズがふらいがかりを探していて、パトリックがカーニーズで働くことになった フィッシュ・ブルース プロフィール 性別:男 年齢:20歳 好きな物:本を読むこと パトリック似合うまでわ、普通の人生を楽しく過ごしていたが、パトリックにあってから色んな事に巻き込まれている。だがパトリックの事わ嫌いでわないようす ロックス・ユーニス・カーニ プロフィール 性別:男 年齢:34歳 好きな物:お宝 カーニーズのオーナーで元海賊、カニカーニのカーニさんとわいとこ関係。プランクとわ元仲間でライバル

きみへの耐性

「もう、なぁに?」  ぼくがきみの手に触れると、きみがじれったいように言う。繋ぐわけでもなく、ただ触れるだけだから、きみは焦れているのかもしれない。 「手、繋ぐ?」  きみはぼくの想いを察して、手を差し出してくれる。やわらかい、あたたかい、小さな手。  ぼくはきみの手を恐る恐る取って、ぎこちなく笑った。 「たまには、いいよね」  「あたしは毎日でもいいんだよ?」  きみはぼくに笑いかける。ぼくは緊張感から固い笑みを浮かべて、指を絡める。 「あたしはきみのこと好きだけど、きみはどうなの?」 「す、す、好き、だよ」 「迷いなく言えるようになるまでトレーニングだね。さあさあ、もっかい言ってみて?」  きみはぼくを煽る。ぼくは口を開こうとして、言葉が出てこないことを悟る。 「あたしのこと、好き?」 「す、す、好きだよ」 「もっと滑らかに言えるようにならなくちゃ」  きみは笑いながらぼくに言う。そんな無茶なことができるのなら、世界から戦争はなくなっていることだろう。 「さあもう一回。あたしのこと好き?」 「好きだよ」 「ふふ。嬉しい」  きみは笑う。その笑顔が可愛くて、ぼくはまた言葉を失ってしまう。  ああ、もう。  きみの可愛さに、少しでも耐性が付けばいいのに。

指摘ペナルティ

「五分前にくるのが常識でしょう?」    友人は、時間に五月蠅い。  定刻通りに到着することは怠慢。  予定の十分前には到着しておくことがマナーらしい。    私としては遅刻しなければいいと思うので、時間だけは話が合わない。   「皆、真面目にやってよね」    とはいえ、たったそれだけで縁を切る程、軽い関係でもない。  私たちは、不満を抱えつつも、友達の付き合いを続けていた。    でも、今思えば止めておく方が親切だったのかもしれない。    友人は、私の結婚式に遅刻した。  式が始まった後、そっと会場に入り、隅っこで小さくなっていた。    当然、披露宴ではネタにされていた。   「五分前集合じゃなかったのかー?」   「いやー、やっちまったなー」    誰にも悪意があったわけじゃない。  ただ、時間を守り続けてきた友人が、守れなかった事実に物珍しさを感じていただけだ。  そして、逆であれば責められていただろう経験則から、誰も友人をフォローしなかっただけの話だ。    友人は、最後まで式にはいたが、予定していた二次会をキャンセルして姿を消した。    後日、SNSで連絡を取っても返事はなく、今どこで何をしているか知らない。   「言い過ぎたかなあ?」    しばらくの後に開かれた飲み会で、一人が言った。   「言いすぎてねえよ。自分がやるのはいいけど自分がやられるのは嫌、なんて理屈はとおんねんよ。完全に、あいつの自業自得だ」    しかしここでも同情などなく、話題は次へと切り替わった。

蛇がいればお金が貯まる

 初夢に、巨大な蛇が現れた。  今年は巳年だから、驚きはしない。    蛇は言った。   「私の子供たちが、家がなくて困っている。君の家に住まわせてくれれば、君をお金持ちにしてあげよう」   「噛んだりしない?」   「しない」   「おっけ、住んでくれていいよ」   「助かる。窓の近くに、箱を置いてくれ。そこを間借りさせてもらう」    目を覚ますと、ぼくはさっそく箱を準備する。  引っ越しで使った段ボールを、そのまま放っておいてよかった。  窓の近くに箱を置き、初詣に行って帰ってくると、箱の中には蛇が一匹入っていた。  箱の状態を確認するようにぐるぐる回り、ぼくの姿を見つけると首を伸ばしてお辞儀してきた。  思わずぼくも、お辞儀をし返す。    気軽に受けたが、家の中に蛇がいるのは不思議な気分だ。  ペットを一匹、迎えたみたいだ。    夢に出てきた巨大な蛇の言う通り、箱の中の蛇は、箱から出てくることはなかった。  時々お腹が大きくなっているので、ぼくの見てない隙に餌を取りに行っているようだった。    今のところ、問題はない。    また、巨大な蛇は約束を守ってくれたようで、新年早々両親がやってきた。   「宝くじ当たったんだ! 幸せの、おすそわけだゾ☆」    そして、札束を置いて帰っていった。  ぶ厚すぎて、お年玉袋に入れるのは諦めたらしい。  せっかくなので、景気よく豪華な夕食にした。        翌日。  蛇が増えていた。  三匹の蛇が、楽しそうに箱の中でじゃれあっている。    そういえば、一匹だけとは言われていなかった。  いったい何匹増えるのだろうか、確認しとけばよかったと反省する。    その日、パチンコに行ったら大勝ちした。        さらに翌日。  蛇が増えていた。  七匹の蛇が、楽しそうに箱の中で踊っていた。   「う……」    一匹の蛇の見た目が苦手だったので、ぼくは思わず声を出した。  蛇たちは動きを止め、ぼくの方を見て首を傾げた。    蛇を飼えばお金がもらえると安直に考えていたが、そもそもぼくは蛇が好きでも嫌いでもない。  道端に毒蛇っぽいやつがいたら普通に驚くし、手に巻き付いてきたらちょっと恐い。  知識もなければ、興味もない。  今後も一緒に生活できるだろうかと、不安が頭の中をよぎった。        気が付けば、蛇の数は百匹を超えていた。  貯金通帳の数字は一桁増えた。    シュルシュルシュル。  蛇の這いずり回る音が常に聞こえ、ぼくの心臓は常に恐怖でばくばくとしている。  蛇が増えたので箱の数も増やしたが、いつ三個目が必要になるかわからない。  徐々に不安が押し寄せる。  ぼくの部屋が、全部蛇に乗っ取られるんじゃないのかと。       「私の子たちを住まわせてくれて助かるよ。具合はどうかね?」    夢の中に、久々に巨大な蛇が現れた。   「正直、蛇が多すぎて恐くなってきてます。夜も寝れなくなりました。蛇の数を、減らしてはもらえませんか?」   「お願いしているのはこちらだ。それは構わない。ただ、減らした分だけ、君に渡したお金を返してもらうことにはなるが」   「構わないです」   「わかった。今すぐに引き上げさせよう」    朝起きたら、蛇は三匹になっていた。  手元に残ったのは、両親が持ってきたお金とパチンコで大勝ちしたお金。  後は、綺麗さっぱりなくなった。   「うん。やっぱり、ストレスを感じない程度が一番だ」    ぼくは箱の中に、蛇の餌を投げ込んだ。  蛇たちは、餌にぱくりと飛びついた。

トムとジェリーの旅、オリキャラ紹介だけどまずは

トム プロフィール 性別:男 もう一人の主人公、あるときジェリーとまた喧嘩をしていたとき、とある声が聞こえた。天の声[トムとジェリー旅しなさい、これは命令です]といわれ、もちろん二人は無視をしたが誰もいないのに蜂起が動き叩かれて、仕方なく外に出た。そして色々ありタフィーも仲間に加わった。最初は旅はやる気はなかったが、ジェリーとタフィーに助けられて仕方なく旅をすることになった ジェリー プロフィール 性別:男 もう一人の主人公、あるときジェリーとまた喧嘩をしていたとき、とある声が聞こえた。天の声[トムとジェリー旅しなさい、これは命令です]といわれ、もちろん二人は無視をしたが誰もいないのに蜂起が動き叩かれて、仕方なく外に出た。そして色々ありタフィーも仲間に加わった。だがトムがどっか言ってしまい、そしてネコたちからトムわ助けて遺書に旅をすることになった タフィー プロフィール 性別:男 ジェリーの甥、自分も旅がしたくて3人目の仲間として加わった。ちょっと怖がりだが意外と役に立つこともする

【超短編小説】「綿毛」

 死なない男は明け方、ガラガラガラ、という大きな音で目が覚めた。  粗末な寝床から這い出し、ぼろぼろのカーテンを開けると、窓の外に見えるビル街のビルがまた一つ崩れていた。  死なない男だけが住んでいるこの星は、毎日こうして少しずつ壊れていく。  男は理想の朝食を描いた絵をじっと見た後、すきっ腹をさすりながらビル街へ向かった。  空腹や疲労は感じるが、死なない男は死ななかった。  ビル街に着いた。崩れたばかりのビルは、かつて、遠い昔、男がぼったくられたバーが入っている雑居ビルだった。 「ざまあみろ」  死なない男はつぶやいた。また一つ、うっぷんが晴れる出来事が起きた。  男はポケットから日記帳を出し、今日の日付のページに《☆》マークを三つ描いた。久しぶりの三つだ。  男は道端のタンポポを摘み、綿毛を吹きながら住処へ帰っていった。

【超短編小説】「混乱」

 その中年男は自分を数学者だと思っていた。彼の部屋には数式が書き込まれたノートや論文、学術書がうず高く積まれていた。  しかし周りの人は彼を数学者だとは思っていなかった。  彼は両親に 「働け」  と言われスーパーでアルバイトをしていた。  他の店員とは最低限の会話しか交わさず、休憩している時も小さな手帳で数式を解いていた。  彼は変わり者だと囁かれていた。  ある夜、彼は《三割引》のシールを弁当に貼る仕事を命じられた。  弁当にシールを貼っている時一人の老女から、 「このお弁当は結局いくらになるの?」  と尋ねられた。  彼はそれに答えられなかった。  値札とシールを何度も見比べているうち頭が混乱してしまった。  彼はその夜帰宅するや否やノートや論文を全て焼いた。  次の日彼は出勤すると、初めて自分から、 「おはようございます」  と同僚に声をかけた。

重い槍

聞かれた事だけに答えるのは意外と難しい。 聞かれた事だけに答えると あなたの逃げ場は無くなるから。 私は傷付いたけど あなたを傷付けたくはないから。

寝れない夜があってもいいじゃない

午前中2時、綺麗な月を見つめ、「あぁ、本当に綺麗な月だっていうのに涙がでるの」と一言。私ってこんなことを言うキャラじゃない。 昨日、彼が出て行った。1K2人じゃ狭すぎるシングルベッド暑くて揺れるカーテンベランダでタバコを吸う彼の姿全部が愛おしく記憶の中で生活している。 出ていく最後に彼が「このカーテン黄ばんじゃったね。新しいカーテン買うよ。」と、そんな彼を思い出してカーテンを外してゴミ袋に捨てた。ベランダに彼の面影を感じて思い出と彼がいっそう強く感じる。「まだ1日しか経ってないのに」 あぁ、カーテンがないおかげで月がよく見える。明るいせいで寝れないだけだ。

東京

高校一年冬、体育館のステージの上で名前も知らないキミに一目惚れをした。 なんとかして連絡先を交換して、3回目の告白でようやく付き合うことになった。高台の公園のベンチで2人でコードレスイヤフォンを2人でつけ音楽を聴いているとキミが、私の顔を覗き込んで「やっぱ、付き合っちゃう?」だった。 私は嬉しくて音楽のせいで聞こえないふりをした2年の春だった。 1年間、たくさんの思い出。 キミが、卒業をし東京の専門学校へ行ってしまった。来年私もついていくと約束した。卒業祝いにはワイヤレスイヤフォンを渡した。すれ違いも多くなり、静岡と東京での遠距離もあって喧嘩別れをした。別れた時もあの時の音楽が流れていた。 高校3年の冬。受験、別れて9ヶ月が経っていた。東京に進学する予定だったのに、私はケータイ越しに流れてくるキミが好きだったあの頃とは別人のようで結局地元の大学にすることにした。最後、キミのインスタのストーリーを見た。私のあげたイヤフォンを別の誰かとつけて、タバコを吸うようになって大人びた笑顔が映っていた。なんでも情報が入ってきてしまってあの頃には戻れないから恋しい懐かしい気がしてキミを消した。私の涙も消えた。そうして私も一年後にはタバコを吸い大人のふりをした別人になれたらまたキミと出会いたい。

トムとジェリーの旅

オリジナル話 トムとジェリーの旅 またトムとジェリーが喧嘩をしてたとき、見知らぬ声が聞こえた、[トムとジェリー二人で旅をしなさい、きっといいことが起こるでしょう]、当然トムとジェリーわそれを無視をしたが、脅されて仕方なく2人で旅をすることになった。こうして二人の旅が始まったそしてトムとジェリーわ旅をすることになったが、旅をしろって何をしたらいいのか2人わ考えていたとき。そこにタフィーが現れた、[ジェリーおじさん、どこに行くの?] トムとジェリーわなにが起こったか全て話しました、[見知らぬ声に、旅をしなさいて言われたの?] 二人わ頷いた、[きっとそれわ神様が、色んなところを旅をしなさいて、言ってるんじゃないかな]、どういうことだとトムとジェリーわ思った、[つまりね色んなところを旅をして、何かを見つけろってことだよ!] 。トムとジェリーわなるほどとわかった、[ねえジェリーおじさん、僕も色んなところで旅をしたいな。ねえいいジェリーおじさん] ジェリーわいいよと頷いた、ところがトムが一人でどっか歩いていった、[ねえどこに行くのトム、まさか一人で旅をするつもり、だめだよ三人で旅をしなきゃ。三人で旅のほうが楽しいよ]。トムわ無視をして一人でどっか行ってしまった[ジェリーおじさんどうしよう、トムが一人でどっか行っちゃたよ!]ジェリーわ一人で歩いていった、[ジェリーおじさんまで、確かに二人わいつも喧嘩をしているけど、でも本当わ仲がいいじゃないか。もしトムに何かあったらどうするの!]ジェリーわ無視をした、[いいよじゃあ、僕一人でトムを探しにいくから!]タフィーわ一人で、トムを探しに行った。一派うトムわゴミ箱でご飯を、探していたすると魚を見つけた。その魚を食べようとしたとき、[おいそこの猫、俺達の縄張りに名にしてんだ!]何人の猫がいました、[いま俺の魚を食べようとしたよな?]、トムわ逃げようとしたが、猫達に囲まれてしまい逃げれない。[トム!]タフィーがきた、[トムやっと見つけた、大丈夫僕に任せてなんとかするから!]、[なんだこの小さなネズミわ?] 猫B[俺達に勝てるわけないだろ]、[やっぱりムリかも]トムとタフィーわ大ピンチすると…!、ジェリーがゴミ箱を持って、一人の猫を通した。[ジェリーおじさん、助けに来てくれたんだね]、[トム今回わ協力して、じゃなきゃ猫たちにやられちゃうよ!]、トムわ仕方なく協力することにした。[何人のだろうが、俺達にわ勝てないさ]、そして戦いが始まった、何回かわ喧嘩をしていたがなんとか勝てた。[クソーおぼいて嫌がれ!]、[なんとか勝てたね、ジェリーおじさん]、トムわふんと右を向いた、[トムわ旅なんかしたく、ナインだよね。確かに危険な旅があるかもしれない、だけど三人ならなんとかなるよ。だからお願い三人で旅をしようよ]、トムわ黙り込んだ、[ダメかな…]、トムわハーとため息をして、仕方なく酸に旅をすることになった。[いいのトム!]、トムわ頷いた、[ジェリーおじさんもいいよね!]、ジェリーわ仕方なくおうけいした。[やったー!、きっと長くて楽しい旅が始まるんだろうな]、トムとジェリーわやれやれとおもった

とある少女の とある悩み

本を読むだけでは、いけないようです、読んで、おもしろい、ということだけでは、ダメなようです、軽く、悩んでしまいます、そういった出来事があったので、悩んでいるのです、悩んでいるのですというのは、ちょっと、ニュアンスが違いますか、ちょっとばかり、考えてしまっています、たぶん、そのくらいでしょうか 本を読んで、文章を読んで、それについて、あれこれ、長々、語らないといけないみたいです、その事実に、ちょっぴり、動揺してしまいました、どれくらいの動揺? 持っていた本を落としそうになっちゃうくらいには動揺してしまいました、わっわっわっ、とは、なりましたけれど、落とすことはありませんでした そんなふうに考えたことなんてなかったですから、なんてアサハカナ本の読み方をこれまでしてきたんでしょう、と反省しつつ、でもでも、この先、そういったふうに読んでいく自信もないのです、それで、考えてしまっているわけなのです 作者は、何を考え、何を思い、どういった願いから、これを書いたのかと、あれこれ考察することをしたほうがいいのでしょうか、しないといけないのでしょうか 本を読む、よかったですねえ、この本は、よかったですねえ、それだけでは、ダメなのでしょうか、本を読む、この本は、わたしには、あわなかったようです、好きにはなれなかったわ、それだけだとダメなのでしょうか だらだら長ったらしく書くのは好きではありません、だらだらと長ったらしく書かれた文章を読むのはもっと好きではありません 探偵が、事件を解決する、スカッとする、わたしは、それだけで満足なのですが

アイドル危機一髪

 地下アイドルのサユリは、明日のライブに向け自信を深めた。  するとその時、アパートのチャイムが鳴った。思わずサユリは、からだを強張らせた。チャイムは二度、三度鳴らされ玄関の方を振り返った。  時刻はすでに深夜零時を回っている。真夜中の訪問者に恐怖を感じずにはいられなかった。  ドーン、ドーン、ドーン──。と今度は玄関のドアを叩く音が続いた。ドアの向こうで男の怒鳴り声が聞こえる。サユリはそっとドアスコープを覗いた。相手の男に見覚えがある。同じアパートで暮らす一階の住人だ。サユリはまだ越してきたばかりで、独身の禿げた親父との印象しかない。  サユリは怪しさに胸が騒いだ。あれはきっと変質者に違いない。この可愛い自分を襲いにきたんだ。いやダメ! 乱暴されてしまう。と想像をかきたて、背筋が寒くなってきてしまった。  もういても立ってもいられず、サユリは震える指で一一〇番通報した。 「はい、警察です。事件ですか、事故ですか」 「た、助けて下さい! 変質者の男がドアの外に。わ、わたし、襲われてしまいます!」 「わかりました。まずは落ち着いてください。場所はどこですか?」 「家です。わたし、アパートの家にいます」 「では状況を教えてください。あなたはアパートで今なにを?」 「わ、わたしは、明日の公演を前に、ダンスと歌の練習をしています」

君のせいで

肩を並べて歩く君の足並みは、どこか自分と遠く離れているような気がした。 秋の匂いが頬を撫でる、そんな午後4時。 木枯らしに流れる葉の通り過ぎた道を、ただ2人が歩く。 昔から、何も変わらず。 いつも君は、僕の先を歩いていた。 勉強も、運動も。 趣味の音楽も。 小さい頃からずっと隣にいた僕は、常に君の背中を追いかけてきた。 君がやめるまで、ずっと一緒にサッカーをしていた。 君と同じ理系に進んだ。 後を追うように僕も音楽を始めた。 僕はただ、君と並んでいたいだけだった。 でも、追いつかなかった。 届かない目標に追いつこうと、必死だった。 そんな僕をいつも気にかけてくれて、それでも一緒にいてくれた。 そんな君を追いかけるのも、悪くないと思えたんだ。 「俺、彼女できたんだ」 だから、君のその言葉は僕の心に深く刺さった。 いくら時間が経てども癒えない、そんな深い傷を残した。 飴色の光に照らされる君は微笑み、そう言った。 嫌だ。ずっと、ずっと追いかけてきた君が、 どこかへ行ってしまいそうで。 置いていかないで。 僕の、隣にいて。 そう心で願ってしまった。 あぁ、そうか。 今までずっと、抑えていた。 この気持ちは。 君を手放したくない、この気持ちは。 全部、君のせいだ。

簡単に温まる方法

「はあ、寒いねえ」 「そうだね」  並んで歩くきみの言葉に同調する。今日は朝からひどく冷え込んで、着込んでいても空気の冷たさを感じる。 「簡単に温まる方法、教えてあげよっか?」 「そんなものがあるなら、ぜひ」  ぼくはあまり本気に捉えずに言った。どうせたいした方法ではないのだ。この寒さから逃れる方法などあるわけがない。 「じゃあ、手を出してください」 「こう?」  ぼくが手を差し出すと、きみはぼくの手をきゅっと握った。 「ほら、こうすればあったかいでしょ?」  きみは笑いながら言った。ぼくは恥ずかしくなって、頬が熱くなるのを感じた。  ああ、まあ、確かに温まるのは間違いない。  きみの笑顔を間近で見られなくて、ぼくは俯きながら歩いていった。きみは楽しそうに笑っていた。

角の木

その角の木は 葉がすっかり 落ちてしまっていて それだから 角の先も すこしは 見ることができて まあ なんとか 安全らしきものは 確保されている ように思う 夏はね そこの角の木はね 葉っぱがさ ばっさばさで 角の先のほうなんて 見えやしないのよ その魔女は 親戚のおばさんみたいな言い方で わたしに言ってきた ほうきにのって 角を曲がろうとしたとき 人とぶつかりそうに なったのかもしれない 自転車とだったかもしれない 車だったのかも そんなことが あったのかもしれない なかったのかもしれない

魔女リティ

 かつて、魔女狩りが成立した理由は単純。  魔女が、人間よりも少なかったからに他ならない。    現代で、魔女狩りが失敗した理由は単純。  魔女が、人間よりも多かったからに他ならない。   「いらっしゃい、いらっしゃい。新鮮な人間の生き血はいかがですか? 今朝採れたばかり、新鮮だよー!」    町にひしめく店は、人間用から魔女用へと早変わり。  魔女は狩られる側から、狩る側へ。   「ねえ、聞いた? 野良人間が現れたらしいわよ」   「やだ恐い。早く、警察が捕まえてくれないかしら」    自動車の代わりに箒が空を舞い、犬の代わりにケルベロスが道を歩く。  人間社会をベースに、魔女社会が歴史に刻まれ始めていた。       「はい、どうぞ」    魔女の女の子は、屋根裏にかくまった一人の人間に餌を差し出す。  魔女食から、魔力を抜いた。人間食。  魔女からすれば味が薄くて食えたもんじゃないが、人間からすれば食べても死ぬことがない食事だ。  もっとも、魔女と人間の味覚は異なるようで、決して人間にとって美味しい食事ではない。    しかし、食べなければ餓死するのみ。  人間は女の子の差し出した食事を、がつがつと食していく。   「あんまり汚さないでね。パピとマミに見つかったら、怒られちゃうから」    女の子が人間をかくまっているのは、善意ではない。  雨に打たれてさむがっている捨て犬を、人間が情から保護するのと同じ感性だ。  弱者を守りたくなるという、母性の一つにすぎない。    人間も、それに気づいている。  気づいていながら、甘んじた。  自分が生き残るために。   「ご馳走様でした」   「はい、お粗末様でした」    女の子が食器を片付けるため部屋から去り、一人ぼっちになった押し入れの中で、人間は考える。  魔女の世界の生き方を。    魔女の世界における人間の使い方は、実験台か奴隷だ。  実験台というのは言わずもがな、髪の毛や血という素材を採集するためだけの苗木となること。  奴隷というのは、時に荷物持ちであり、動物園ならぬ人間園での鑑賞物であり、趣味の悪い魔女の間では家具の代わりとなっている。    それらに比べれば、今この場は、心地の良い場所だった。  少なくとも、女の子の両親に見つかるまではという時限付きだが。   「さっきの子供を人質にするという方法もなくはないが、果たして魔女に同族への情はあるのだろうか」    だが、今を生きていることと、未来を生きられるかは大きく違う。  人間は毛布にくるまり、寒さをしのぎながら、生き続けることを考える。   「最近は、眠くて駄目だな」    そして、そのまま眠りについた。    戻ってきた女の子は、眠っている人間の頭を優しく撫でる。  魔女狩り。  思えば、始まりは底だった。  前世の記憶を引き続き続けた魔女と、生まれ変わる度に新しい個体となる人間。  魔女と人間の戦いで、魔女に軍配が上がったのは半ば必然だったのかもしれない。    だからこそ、魔女は人間を憎み続けることができた。  だからこそ、魔女は人間に情を持ち続けることができた。   「この時代じゃあ、私が守るからね」    魔女狩りの時代、人間によって命を救われた魂を持つ女の子は、人間に恩を返す。  人間に当時の記憶がないにしても、女の子の中にはきちんと残っている。    前世の善行が、一人の人間を生かしている。  前世の善行が、魔女という種族の血を残し、結果人間という種の存続を脅かしている。   「ずっとずっと、守るからね」    受け継いだ情一つ。    これが人間の復権につながるか、はたまた魔女の宝物で終わるのか。    それがわかるのは、未来で起きる三度目の魔女狩りにて。

アルミ缶の上にあるみかん

背中が まるまってしまう 自然に まるまってしまう 意識してなんてないのに やっぱりまるまってしまう 視線も 下に 向いてしまう ふと 目を 上げてみる すっと 背筋を伸ばして 歩いている人 はっとなる いけない いけない こんなんじゃ いけない いけない みっともなくって いけない いけない けど 背中は まるまった まんま いけない いけない でも でも 寒いし

Are you good we had a very bad right now at barre had some berberine window

Edgebrook about the battery had a bad by dad provided by bad River debt and breakaway battery was dead really dead really dead happy birthday Brooke available to be doing that we did very very good at fabric will be the tree will be DMV go to work with every day roommate with that will be dead I book a book up a battery busy but I will be traveling with that rabbit opinion but that would be decorated decorated it I’m a burger burger burger double Deborah ridiculous bit of a dead rabbit every day to every day to bake a blueberry I’ll be back with a cup of butter devil ever did Robert available dates will be dead river down a date will be dead I’ll be back in Whittaker battery Deborah Deborah Deborah very happy birthday blue caravan with the Blackwater Café better than Depot David out of a ditch video of a death my bed available ditch and work at bat but he had a battery did a bit about the trip would be there today will be that will cover of a temperature of a date will be January we did have a back window covered bed with a beverage beverage ever did when I did the reveal be there to have a ditch me for the project I’m available to cover but if I did with the preview day at Buca di Beppo to be debited with you that you will be there to back away without a badge rich I’m a Bank of America battery debit about the ditch my bed with it very busy with the truck will go to the Dippin donuts Davido ditch at the back of Burger Burger Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah bit of a detour about a bit of a dead dead River Ridge I’ll be back about it but a debit I got a better deal did you leave it at the gate and back of the weather but www.rude about that I’ll be back to Brookhaven battery Debbie Debbie Debbie did Ruby day it’ll go bad with Deborah Deborah Deborah Deborah redo that other deck and broke a bed with everybody today at work but it really never ever ever ditch with you Angelique a bitch bad bad Bandra cabin in the middle of the night

【超短編小説】「虹」

 外は雨が降っていた。それを見ていたお袋が言った。 「もうすぐ雨が上がるよ」  俺は二階に行き、虹の部屋の扉をノックした。返事は無かった。  俺は扉を開けた。  カーテンを閉め切った暗い部屋で、虹が、背中を丸めて、テレビを観ていた。  俺は虹を無理矢理立たせ、部屋の外に連れ出した。  明るい所で見たら虹は無精髭まみれだった。俺は電気剃刀で虹の髭を剃った。虹はぼんやり窓の外を見ていた。  髭を剃り終えると、虹は七色に輝き始めた。 「行ってきなさい」  お袋は虹の背中を叩き、空へ送り出した。  雨はちょうど上がった。  こうして、雨上がりの空に虹が架かった。 「見て見て、綺麗な虹」  誰かの声が聞こえた。俺とお袋は顔を見合わせてほっと息をついた。

時々、わざと彼を怒らせる。 もちろんサヨナラを言わせない程度に。 仲直りした後の電話越しに聞く ハスキーな声はいつもより低く 一緒に過ごす 束の間の時を思い出させる。

ラジオの向こうの叶わぬ恋

「それでは皆様また来週。おやすなさいませ‥。それでは皆様‥‥」  古風なラジオから発せられる、透き通った静かな声。同じ言葉を繰り返すが、決してラジオが壊れているのではない。飽きもせず、一人の男が何度も再生ボタンを繰り返しているのだ。  雑貨屋にて、値引きに惹かれて購入したラジオ。趣味でもない為、ガラクタになっていたラジオだが、ある日気まぐれで流した。それがこの女性との出会い。  声を聴いた時の衝撃は凄まじく、一瞬にして心を撃ち抜かれ、鼓動を早く打ちつつ、癒しの声に浸っていた。  どうにもこの声を生活に置いておきたいと思った男は、大慌てで録音機能を使用したが、 録音できた音声は、既に番組の終わりの挨拶のみ。  さらに残念な事に、この回以降、ラジオが放送されることは無かった。  もう二度と新たに手に入れる事が出来ない女性の声を、毎度噛み締めるように聴いている。  何度も何度も聴きたくなる声。まさしくこれは恋に落ちているのだろうと、自分でもわかる。  男の退屈な日常を穴埋めする為には、このラジオを聴くことと、声の主の顔を想像することだけだ。それが男にとって最大の至福の時間。 「きっと美しいんだろうな。いや、正直顔はどうでもいいさ。ぼく自身、この声に癒されているんだ。いつか会えるといいな」  時刻は昼頃。空腹の音が鳴る。  ため息を吐きながら、重たい体をなんとか起こし、家中を探し回ったが、食料らしき物は一つも見当たらなかった。 「何ともめんどくさいが、食料を手に入れてこよう。ついでに、想い人も探すとしよう」  男は軽く支度を整え、この家の唯一ある扉ともいえる、頑丈なシャッターを開けた。  外はなんとも見飽きてしまう。  毎日が薄暗く、誰の足音もしない崩れた世界。  未だに焦げた匂いは微量に感じる。不思議とあの声も、この匂いに紛れているような気がして…。  男は頭を振った。あの女性は存在すると信じて、灰の被った地面に足を踏み入れ、歩みを進めていくのであった。

柔らかい

 あ~柔らかい。 ぷにぷに。 アー明日も頑張れる。 ぷにぷに。 柔らかい物(者)は正義だ。

完全なる食パン

未来のある日、大手食品メーカー「パーフェクトブレッド社」は画期的な商品を発表した。 その名も「完全なる食パン」。 「この食パンは、味・栄養・保存性すべてにおいて完璧です!」 発売当初からテレビやSNSで大々的に宣伝され、瞬く間に社会現象となった。従来のパンよりも柔らかく、カビも一切生えず、何より味が驚くほど美味しい。 人々はこぞって「完全なる食パン」を購入し、家庭の食卓から他のパンが消えた。 しかし、発売から数カ月後、異変が起き始めた。 「このパンしか食べられないんだ」 そう語る人々が現れ始めたのだ。他の食べ物を口にしても味がしない。高級レストランの料理でさえ無味無臭。唯一「完全なる食パン」だけが美味しく感じられるのだ。 パーフェクトブレッド社に質問が寄せられたが、返答はこうだった。 「完全なる食パンは、従来のパンを超える味覚を提供することを目標としました。他の食品の味が感じられなくなる現象は、個人の感覚の問題であり、当社製品に起因するものではありません。」 やがて、社会全体が「完全なる食パン」に支配されていく。スーパーの陳列棚には、このパンだけが並び、他のパンメーカーは次々と倒産した。給食も、カフェのメニューも、すべてがこのパンを基にした料理ばかりになった。 主人公の田中は、そんな「完全なる食パン」の独占状態に疑問を抱いていた。 「これ、本当にみんなが言うほど美味しいのか?」 彼は幼い頃から親しんだ焼きたてのフランスパンが忘れられなかった。だが、店はすでに閉店し、もう手に入らない。 田中は意を決して「完全なる食パン」の秘密を探るべく、工場の内部に潜入することにした。 夜中、工場に忍び込んだ田中が目にしたのは、巨大なタンクと無数の配管が張り巡らされた異様な光景だった。そして、タンクの中には奇妙な液体が詰まっていた。 「……これがパンの原料なのか?」 ラベルにはこう書かれていた。 「味覚操作剤」 驚愕した田中は、さらなる真実を知ることになる。 「完全なる食パン」は、味覚を操作する特殊な化学物質を含んでおり、一度食べた人間は他の食品の味を感じられなくなる仕組みになっていたのだ。これにより、人々は無意識のうちにこのパンに依存し続けるようになる。 田中はすぐにこの事実を告発しようとした。しかし、彼のスマホが謎のエラーで動かず、工場の出口も突然ロックされた。 背後に響く冷たい声。 「お客様、完全なる食パンをお楽しみいただいておりますか?」 振り返ると、パーフェクトブレッド社の社員たちが無表情で立っていた。彼らの手には、「完全なる食パン」の袋が握られている。 「あなたもすぐに分かります。これ以上に幸せな食べ物は存在しない、と。」 田中は声を上げる間もなく、袋を押しつけられた。 翌朝、田中はいつものようにパンを食べていた。柔らかく、香ばしく、完璧な味。 「やっぱり、このパン以上のものはないよな……」 彼は微笑みながら、もう全てを忘れていた。 外の世界では「完全なる食パン」の販売はますます拡大し、人々の食卓に並び続ける。 そして、タンクの中で作られる液体は今日も静かに満たされていくのだった。

死後のアンケート

目を覚ますと、そこは真っ白な空間だった。 何もない。ただ無限に広がる白。 「お疲れさまでした、生涯を終えられたあなたに、これからアンケートを実施いたします。」 突然、無機質な声が響いた。振り向くと、そこには小さな机と椅子、そしてアンケート用紙が置かれていた。 「アンケート?」 戸惑いながら椅子に座ると、目の前に置かれた紙に目をやった。 死後のアンケート 1. 生前、あなたは幸せでしたか? □ はい □ いいえ 「えっ、いきなり重い質問だな……」 少し迷ったが、「はい」に丸をつけた。大きな不満はなかった。幸せだったと信じたい。 2. 生前、何を最も後悔していますか? (自由記述) ペンを握る手が止まった。思い浮かぶのは、家族と過ごす時間をもっと大切にするべきだったという後悔。それを静かに書き込んだ。 3. 次に生まれ変わるなら、どんな存在になりたいですか? (自由記述) 「次に生まれ変わる?」 その言葉に軽い衝撃を受けた。どうやら選択肢があるらしい。人間として再び挑戦するか、それとも別の存在として新しい道を歩むか。 悩んだ末、「鳥」と書き込んだ。空を自由に飛びたいという憧れがずっとあったからだ。 4. あなたの人生に点数をつけるなら、何点ですか?(100点満点) 80点、と書いた。完璧ではないが、悪くもなかった。 書き終えた瞬間、用紙が光り始めた。そして、再び無機質な声が響く。 「アンケートの結果に基づき、次のステージが決定されます。」 次のステージ?その言葉の意味を考える間もなく、周囲の白い空間がぼんやりと形を変え始めた。空が青くなり、風が吹き、視界が鮮やかな世界へと変わっていく。 気がつくと、自分は小さな鳥になっていた。 羽を広げ、空を飛ぶ感覚が新鮮で心地よい。風を切りながら自由に動ける喜びが、胸いっぱいに広がった。 だが、その瞬間、ふと気づいた。 「……自分は何を後悔していたんだっけ?」 生前の記憶は薄れていき、自由な空の旅が始まる。アンケートに書いた答えが、どれほど正直なものだったのか──それを確かめるすべは、もうなかった。